夏の筋トレと水分・熱中症対策|経口補水液とスポドリの使い分け、筋肉は“貯水タンク”
猛暑の中でのトレーニングは、脱水と熱中症のリスクが一気に上がります。しかも厄介なのが、「水だけをがぶ飲みする」とかえって不調になることがあるという点。汗と一緒に塩分(ナトリウム)も失われるからです。この記事では、夏のトレを安全に続けるための水分・電解質の摂り方、経口補水液とスポーツドリンクの使い分け、そして「筋肉は体内の貯水タンク」という夏こそ筋トレをすべき理由まで、正直に解説します。
- 筋肉は体内の水分を多く蓄える。筋肉量が多いほど脱水・熱中症に強くなりやすい
- 汗では水分と塩分(ナトリウム)の両方を失う。水だけだと逆効果のことも
- 運動中の発汗=スポーツドリンク、大量発汗・熱中症の応急=経口補水液
- 熱中症のサイン(めまい・吐き気・筋肉のつり等)が出たら、すぐ涼しい場所へ・重症は救急
【夏こそ筋トレ】筋肉は“体内の貯水タンク”
意外に知られていませんが、体の水分の多くは筋肉に蓄えられています。筋肉は水分をたっぷり含む組織で、筋肉量が多い人ほど体に水を“ためておける”のです。
これが夏に効いてきます。筋肉量が少ないと、体内の水分の“貯金”が少なく、脱水や熱中症になりやすいとされます。逆に、日頃から筋トレをして筋肉を保っている人は、暑さに対する“予備タンク”が大きい。つまり夏バテ・熱中症対策としても、筋トレには意味があるわけです(高齢の方の熱中症が多い一因も、筋肉量の減少と関係するとされます)。
なぜ「水だけ」ではダメなのか
汗をかくと、失われるのは水分だけではありません。塩分(ナトリウム)も一緒に出ていきます。ここで水だけを大量に飲むと、血液中のナトリウム濃度が薄まり、かえって頭痛・吐き気・けいれん(低ナトリウム血症)を招くことがあります。また、濃度が薄まると体が「もう水は足りた」と勘違いして飲むのをやめてしまう(自発的脱水)ことも。
だから大量に汗をかく夏のトレでは、水分と一緒に塩分(電解質)も補うのが鉄則です。足がつりやすい人は、この電解質不足も一因です(「足がつる原因と対策」)。
経口補水液・スポドリ・水の使い分け
「熱中症には経口補水液」とよく聞きますが、常にそれが正解ではありません。成分が違うので、場面で使い分けます。
| ナトリウム | 糖分 | 向いている場面 | |
|---|---|---|---|
| 経口補水液 | 高め(約50mEq/L) | 低め(約2.5%) | 大量発汗・熱中症の応急・脱水気味のとき |
| スポーツドリンク | 中(約21mEq/L) | 高め(約6〜7%) | 運動中の発汗・エネルギー補給も兼ねたいとき |
| 水+塩分 | 塩タブ等で調整 | なし | 軽い運動・糖分を摂りたくないとき |
ポイントは、経口補水液は「応急処置・大量発汗用」、スポーツドリンクは「運動中のこまめな補給用」という位置づけ。普段の水分補給は水で十分で、汗を大量にかくトレ時に電解質を足すと考えるとシンプルです。糖分を抑えたい減量中は、水+塩タブレットが便利です。
トレ中の水分の摂り方
- 喉が渇く前に飲む— 渇きを感じた時点で、すでに軽い脱水
- こまめに、少しずつ— 一気飲みより、15〜20分ごとに一口ずつ
- トレ前・中・後で分けて— 前に軽く、中はこまめに、後はしっかり
- 大量に汗をかく日は電解質を— スポドリや塩タブで塩分を足す
「スパルタンレース」のような屋外の激しい運動では特に、水分・電解質・塩分の準備が欠かせません。
【最重要】熱中症のサインと対処
ここは命に関わるので、必ず覚えてください。次のサインが出たら熱中症の疑いです。
- めまい・立ちくらみ・顔のほてり
- 大量の汗、または汗が止まる
- 頭痛・吐き気・体のだるさ
- 筋肉のけいれん(こむら返り)
- 意識がもうろうとする・まっすぐ歩けない(重症のサイン)
対処は、すぐに運動を中止し、涼しい場所へ移動、体を冷やし、経口補水液などで水分・塩分を補給。意識がおかしい・自分で水が飲めない・症状が改善しない場合は、ためらわず救急(119)を。無理は絶対にしないでください。
夏バテで食が細いときは
暑さで食欲が落ちると、タンパク質不足から筋肉が分解されやすくなります。冷たいプロテインやさっぱりした高タンパク食で補うのがおすすめです(詳しくは「夏こそタンパク質」)。
まとめ
- 筋肉は体内の貯水タンク。夏の熱中症対策としても筋トレに意味がある
- 汗では水分+塩分を失う。水だけの大量摂取は逆効果のことも
- 運動中=スポドリ、大量発汗・応急=経口補水液、減量中=水+塩タブ
- 熱中症のサインが出たらすぐ涼所・冷却・補水、重症は救急
ご注意: 熱中症は命に関わることがあります。意識障害・けいれん・自力で水分が摂れないなどの重い症状があるときは、迷わず救急要請してください。持病のある方、心臓・腎臓の疾患がある方、高血圧などで塩分・水分の制限を受けている方は、水分・塩分の摂り方について必ず主治医にご相談ください。本記事は一般的な情報で、体調や環境により最適な対処は異なります。