リコンプは誰でもできる?向くのは初心者・再開組・体脂肪が多めの人

2026年7月14日 公開 / 2026年9月22日 更新
力こぶ(筋肉アップ)と下向き矢印(脂肪ダウン)を描いた線画イラスト。筋肉をボルト色で強調

「増量と減量、どっちを先にやるべき?」と悩む前に、「筋肉をつけながら、同時に脂肪も落とせたら最高では?」と思ったことはありませんか。これはボディリコンポジション(通称リコンプ)と呼ばれ、条件がそろえば実際に可能です。ただし、誰でも簡単というわけではありません。起きやすいのは、トレーニングを始めたばかりの人、長く離れていて再開した人、そして体脂肪が多めの人です。共通しているのは「体に伸びしろが残っている」という一点で、だから初心者ほど同時に進みます。逆に、何年も鍛えてきた中上級者やすでに絞れている人では、同時に動かせる幅がほとんど残っていません。その場合は増量と減量を分けたほうが結果が早く出ます。まず自分がどちらの側にいるかを決めるところから始めてください。

結論
  • リコンプ=筋肉の増加と脂肪の減少を同時に進めること。条件つきで可能
  • できやすいのは初心者・トレ再開者・体脂肪が多め・以前鍛えていた人
  • 3本柱は①メンテナンス前後のカロリー ②高タンパク ③しっかり筋トレ
  • 体重は動きにくい。見た目・写真・採寸・挙上重量で進捗を測る

そもそも「同時」にできるの?

増量(筋肉を増やす)は基本カロリーを多めに、減量(脂肪を減らす)はカロリーを少なめに、と、方向が逆です。だから「同時は無理」と言われることもあります。

でも実際には、体は「脂肪をエネルギーに使いながら、筋肉を作る」ことができる状況があります。とくに体脂肪という“貯金”が多い人や、筋トレの刺激が新鮮な人は、脂肪を燃やしつつ筋肉を増やせます。これがリコンプです。

リコンプができる人・できにくい人

同じやり方をしても、結果が出る人と出ない人がはっきり分かれます。自分がどちらに近いかを先に見極めてください。

あてはまるタイプリコンプの向き理由取るべき進め方
トレーニング初心者向く体が刺激に敏感で、筋肉がつきやすい“ボーナス期間”にいるそのままリコンプで進める
久しぶりに再開した人向く以前の筋肉が戻りやすい(マッスルメモリー)そのままリコンプで進める
体脂肪が多めの人向く燃やせる脂肪の“貯金”が多いそのままリコンプで進める
長年鍛えてきた中〜上級者向かない伸びしろが小さく、同時進行は難しい増量期と減量期を分ける
すでに体脂肪が低い人向かない削れる脂肪そのものが少ない増量期と減量期を分ける

マッスルメモリーの仕組みは「マッスルメモリーとは」で解説しています。なお、どのタイプでも睡眠と栄養が整っているほど成功しやすく、逆にそこが崩れていると「向く」側の人でも進みません。

リコンプの3本柱

① カロリーは「メンテナンス前後」

極端に増やしも減らしもしないのがコツ。維持カロリー(メンテナンス)を基準に、少しだけアンダー〜ほぼ同じあたりを狙います。大きく削ると筋肉が育たず、大きく増やすと脂肪が乗ります。“ちょうどよく”がリコンプの肝。配分の考え方は「PFCバランスとは?」を参考に。

② タンパク質を高めに

リコンプで最重要なのがタンパク質。筋肉の材料であり、脂肪を落とす局面で筋肉を守る役目もあります。目安は体重1kgあたり1.6〜2.0g。必要量は「タンパク質は1日どれくらい必要?」で確認を。足りない分はプロテインで補うと確保しやすいです。

出典:Longland et al. 2016(American Journal of Clinical Nutrition 103: 738-746) 同論文は、BMI25超の若い男性40人(平均23歳・BMI約29.7)を20人ずつ2群に分け、消費カロリーの約40%減という大きな赤字のもとで4週間行った試験です。対象は週1〜2回体を動かす程度で、筋トレの習慣がある人はいませんでした。食事はすべて研究側が用意し、両群とも筋トレと高強度インターバルを週6日こなしています(2026年9月22日確認)。

同じカロリー制限・同じ運動量で、タンパク質量だけを変えた結果がこれです。

摂ったタンパク質除脂肪体重体脂肪
体重1kgあたり2.4g+1.2kg-4.8kg
体重1kgあたり1.2gほぼ変化なし-3.5kg

筋肉が増えたか、増えなかっただけかが、タンパク質量の違いだけで分かれています。ただし、この「増えた」を支えているのは週6日の筋トレと高強度インターバルです。カロリーを絞りながら筋肉を増やすには、タンパク質だけでなく強い刺激のほうもセットで要る、と読むのが正確です。そのまま真似できる量ではありませんが、③の「しっかり筋トレ」を外すとこの結果は再現しない、という根拠にはなります。

③ しっかり筋トレ(漸進性過負荷)

「筋肉を作れ」という強い信号がなければ、体は筋肉を増やしません。週2〜3回以上、大きな筋肉を中心に、少しずつ負荷を上げる(漸進性過負荷)のが必須。有酸素ばかりでは筋肉が育ちにくいので、筋トレを主役にします。

進捗は「体重計だけ」で見ない

リコンプ最大の落とし穴が「体重が変わらない」こと。筋肉が増えて脂肪が減ると、体重はほぼ同じでも、見た目は引き締まっていくからです。体重計だけ見ていると「停滞した」と勘違いします。

次の複数の指標で判断しましょう。

  • 見た目は同じ条件で定期的に写真を撮って比べる。いちばん分かりやすい
  • ウエスト・腕・太ももをメジャーで採寸する
  • 体脂肪率・体組成はあくまで目安に。日々の値は誤差が大きい
  • トレーニングで扱う重量が伸びていれば、筋肉は育っている

体組成計を使うなら、日々の値より推移を見るので、測った数字が自動で残るかどうかが続くかどうかを分けます。12機種をスマホ連動の有無・測定項目数・電極の方式・価格で比べた「体組成計・体脂肪計おすすめ12選」では、スマホと連動するのは12点中9点でした。項目数が多いほど精度が高いわけではない理由も、そちらに書いてあります。

どれくらいで変わる?

リコンプはゆっくり進みます。増量に振り切る・減量に振り切るより、変化のスピードは穏やかで、数か月単位で見るのが基本。焦らず、上の指標で“じわじわ変わっている”ことを確認しながら続けましょう。停滞したと感じたら「停滞期(プラトー)の抜け方」も参考に。

増量・減量を分けたほうがいい場合

中〜上級者や、体脂肪が低い人は、リコンプより「増量期→減量期」を分けるほうが効率的です。増量でしっかり筋肉を増やし、その後の減量で脂肪を落とす。というサイクル。手っ取り早く体を大きくしたい人は「短期間で体を大きくする」も参考になります。

よくある誤解

  • 「脂肪が筋肉に変わる」 → 別の組織。変わりません(「脂肪は筋肉に変わる?よくある誤解」)
  • 「体重が変わらない=失敗」 → リコンプでは正常。見た目と重量で判断
  • 「上級者でも簡単にできる」 → 伸びしろが小さいと難しい。分けるほうが効率的
  • 「有酸素だけでOK」 → 筋肉の信号が要る。筋トレが主役

体型の見せ方という点では「筋肉を大きく見せる服装」も参考になります。

まとめ

  • リコンプ(筋肉↑+脂肪↓の同時進行)は条件つきで可能
  • 初心者・再開者・体脂肪多めの人ほど成功しやすい
  • 3本柱はメンテナンス前後のカロリー・高タンパク・しっかり筋トレ
  • 進捗は体重でなく見た目・採寸・挙上重量で。数か月単位で見る

始める前に見ておきたいのは、体脂肪率より先に、週に何回トレーニングの時間を確保できるかです。引用した試験で筋肉が増えた側を支えていたのは、体重1kgあたり2.4gのたんぱく質だけでなく、週6日の筋トレと高強度インターバルでした。週1回しか取れない生活なら、同時進行を狙うより増量と減量を分けたほうが早く形になります。まずは今月の予定表に、確保できる曜日を書き込んでみてください。

体重が動かない数か月を不安なく過ごすには、記録の道具を先に決めておくと楽になります。「体組成計は買うべき?」では、見える化して続けるという目的から機種の絞り方を比べています。

ご注意: 適切なカロリーやタンパク質量には、体格・活動量・持病により個人差があります。急激な減量や極端な食事は避け、腎臓など持病のある方はタンパク質量を増やす前に医師にご相談ください。効果や変化のペースには個人差があります。