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RPE・RIRとは?「あと何回できる?」で強度を決める自己調整トレの使い方

2026年7月19日 公開 / 2026年7月19日 更新
バーベルを持ち上げながら「あと2回できる」と考える人物の線画イラスト。余力を表すゲージをボルト色で強調

「今日は何キロで何回やろう?」——メニューを固定するのが基本ですが、体調は日によって違います。そこで海外のトレーニングで広く使われているのがRPERIR「あと何回できそうか」でその日の強度を微調整する、いわば“自己調整(オートレギュレーション)”の物差しです。毎回限界まで追い込むより効率的とされ、パワーリフターからボディビルダーまで使っています。この記事では、RPE/RIRの意味・使い方・筋肥大に最適な強度を、換算表つきで解説します。

この記事の要点
  • RIR=「あと何回できるか(Reps In Reserve=余力)」、RPE=「きつさの10段階」
  • 関係はRPE = 10 −(マイナス) RIR(RIR2 なら RPE8)
  • 筋肥大に効率的なのはRIR 1〜3(RPE 7〜9)。毎セット限界(RIR0)は不要
  • その日の体調で強度を調整でき、追い込みすぎも甘すぎも防げる

RPE・RIRとは?

まず2つの言葉を整理します。

  • RIR(Reps In Reserve)=そのセットを終えたとき、「あと何回できたか(余力の回数)」。RIR2なら「あと2回いけた」
  • RPE(Rating of Perceived Exertion)「どれくらいきつかったか」を10段階で表す主観的な強度

この2つは裏返しの関係で、RPE = 10 − RIRで換算できます。「あと2回できた(RIR2)」=「きつさ8(RPE8)」というわけです。

RPERIR(余力)感覚
100もう1回も上がらない(限界)
91あと1回が限界
82あと2回できた
73あと3回できた
64まだ余裕がある

なぜ使う?——「自己調整」でムダなく伸ばす

メニューで「50kg×8回」と決めても、睡眠不足や疲労の日は同じ重量がいつもより重く感じます。逆に絶好調の日は軽く感じる。ここで「今日はRPE8(あと2回残す)まで」と決めておくと、その日の調子に合わせて重量や回数を微調整できます。

これがオートレギュレーション(自己調整)。メリットは、

  • 追い込みすぎを防ぐ:毎回限界だと疲労が抜けず、オーバートレーニングに近づく
  • 甘すぎも防ぐ:余力を残しすぎると刺激が足りない
  • フォームを守れる:限界の1〜2回はフォームが崩れやすい。そこを避けられる

固定メニューに“遊び”を持たせる考え方で、周期化(ピリオダイゼーション)とも相性がよい手法です。

【誤解】毎セット限界まで追い込むべき?

日本では「毎回オールアウト(限界)まで追い込むほど効く」と思われがちですが、これは必ずしも正しくありません。研究では、限界の少し手前(RIR1〜3程度)でも、限界まで追い込んだ場合と筋肥大の効果は大きく変わらないと報告されています。むしろ毎回RIR0まで行くと、疲労が溜まってその後のセットやトレの質が落ちることも。

つまり「あと1〜2回残して終える」ほうが、同じ効果を少ない疲労で得られて効率的なのです。筋トレの効果が出る流れは「効果はいつから出る?」も参考に。もちろん、たまに限界に挑戦して“自分のRIR感覚”を較正するのは有効です。

どう使う?初心者〜中級者の順番

  • まず初心者は「フォーム優先」:RIRの感覚(あと何回いけるか)は経験で育つもの。最初は正しいフォームで“少しきつい”回数を積むだけで十分伸びます
  • 中級者から本格活用:メイン種目で「今日はRPE8まで」と決め、その日の重量・回数を調整
  • 筋肥大なら RIR 1〜3(RPE 7〜9)を基準に。筋力・低回数なら RPE を、筋肥大・高回数なら RIR を目安にする人が多い

【つまずき】RIRの見積もりはズレる

慣れないうちは、「あと1回が限界」と思っても、実はあと3〜4回いけた——というズレがよく起きます。多くの人は余力を少なく見積もりがち(=実際はまだ余裕がある)。だから、

  • ときどき本当の限界まで挑戦して、「限界はこの感覚か」を体で覚える
  • 記録に「RPE/RIR」も一緒に書くと、感覚と実際のズレを補正できる(「記録で伸ばす」)

感覚が育つほど、自己調整の精度は上がっていきます。

よくある質問

初心者もRPE/RIRを使うべき?
急ぐ必要はありません。まずは正しいフォームで「少しきつい」回数を積むのが先。余力の感覚は続けるうちに育つので、中級者になってから本格的に取り入れれば十分です。
RPEとRIR、どっちを使えばいい?
同じことの裏表なので好みでOK。目安として、5回以下の低回数はRPE、6回以上の高回数はRIRが使いやすいと言われます。まずは「あと何回できるか(RIR)」で考えると直感的です。
限界まで追い込まないと筋肉はつかない?
いいえ。限界の少し手前(RIR1〜3)でも十分な刺激が入るとされます。毎回オールアウトは疲労が大きく、かえって回復と継続の妨げになることもあります。

まとめ

  • RIR=余力の回数、RPE=きつさ10段階。RPE=10−RIR で換算できる
  • その日の体調で強度を微調整する自己調整(オートレギュレーション)の物差し
  • 筋肥大はRIR 1〜3(RPE 7〜9)が効率的。毎セット限界は不要
  • 初心者はフォーム優先、中級者から本格活用。記録にRPEも残すと感覚が育つ

「あと何回できる?」を意識するだけで、追い込みすぎず・甘すぎず、ちょうどいい負荷が選べます。まずはメイン種目で“あと2回残して終える”から試してみてください。

ご注意: RPE/RIRは主観的な指標で、感覚には個人差があり、慣れるまでズレます。高重量・限界付近に挑戦するときは、十分なウォームアップと補助(セーフティ・スポッター)を確保してください。関節や腰に不安のある方、初心者の方は無理な追い込みを避けてください。