メイスベル・クラブベルとは?メイスの初心者は3〜4.5kgから|スチールメイスの効果と基本の360

2026年7月16日 公開 / 2026年10月8日 更新
スチールメイス(長い柄の先に球状の重り)の線画イラスト。重りの球をボルト色で強調

メイスベル(スチールメイス)は、長い柄の先に球状の重りがついた“振る”トレーニング器具です。クラブベルはそれより短い棍棒(こんぼう)型。どちらも海外のホームジムやファンクショナルトレーニングでは定番ですが、日本ではまだ知る人ぞ知る存在です。「軽いのに驚くほどキツい」のが特徴で、メイスなら、初心者は7〜10ポンド(約3〜4.5kg)が目安。ダンベルなら物足りない重さでも、振るとまったく違う刺激が入ります。

結論
  • メイスベル/クラブベルは先端に重心が偏った“振る”器具。てこが長く効く
  • 握力・肩まわり(可動域)・ねじれに耐える体幹に効く
  • クラブ=握力・手首、メイス=肩の可動域・回旋と得意が違う
  • メイスの初心者は10ポンド(約4.5kg)前後、自信がなければ7ポンド(約3.2kg)から。柄を短く握れば軽くできる
  • 種目は360から覚える。10-to-2のほうが難しい

メイスベル(スチールメイス)・クラブベルとは?

どちらも重心が“手から遠い先端”に偏っているのが最大の特徴です。ダンベルは重心が握りの中心にありますが、これらは先端が重い=「てこ」が長く働くため、同じ重さでもはるかに扱いにくく、コントロールに全身を使います。この「扱いにくさ」こそが狙いで、握力・肩まわり・体幹をまとめて鍛えられます。

クラブベル・メイス・インディアンクラブの違い

似た器具がいくつかあるので、整理しておきましょう。

  • スチールメイス(メイスベル、単にメイスとも)は長い柄の先に球状の重りがついた形。偏りが大きく扱いは難しいが、肩の可動域・回旋の体幹に向く
  • クラブベル(スチールクラブ)は短めの棍棒型で、メイスより扱いやすい。握力・手首を鍛えるのに向く
  • インディアンクラブは軽量で、肩・肘の可動域改善やリハビリ向き

「肩の可動域と回旋を鍛えたい」ならメイス、「握力と手首から始めたい」ならクラブ、と選ぶとよいでしょう。

何に効く?(ダンベルとの違い)

先端が重く、振る動作が中心になるため、ダンベルでは得にくい刺激が入ります。

  • 遠心力に負けないよう握り続けるので、握り込む力がかなり鍛えられる(握力の重要性は「握力と寿命」)
  • 頭の周りを通す動作で肩を大きく動かすので、肩まわりの小さな筋肉も使う(「肩の筋トレ」の補助にも)
  • 偏った重りに振り回されないようお腹・脇腹で踏ん張るので、回旋・抗回旋の体幹が育つ
  • 3次元的に動くぶん全身が連動し、スポーツの動きにつながりやすい

「軽い重量で、全身を使いながら握力・肩・体幹を同時に鍛えられる」のが、ダンベルにない魅力です。

初心者向けの代表種目(360から覚える)

メイスの基本は360(スリーシックスティ)と10-to-2(テン・トゥ・トゥー)の2つです。どちらも頭の後ろを通すので、軽い重さで次の順に進めます。

  • 360は、メイスを頭の周りをぐるっと一周させて体の前に戻す基本種目。肩の可動域と体幹に効く
メイス360
メイス360のフォームと、主に効く部位(肩(三角筋)・前腕(握力)・わき腹(腹斜筋)・体幹)を示した図
効く部位 肩(三角筋)前腕(握力)わき腹(腹斜筋)体幹
  • 10-to-2は、頭の後ろを通したメイスを時計の10時と2時の位置へ左右交互に振り分ける動き。前に振り下ろしたとき、手はおへその高さまで下ろす(360にも共通の注意)
  • オフセットスクワットは、重りの球を肩の近くに立てて持ったまましゃがむ種目。左右が不均等なぶん、体幹と握りで支える

「10-to-2で慣れてから360」は逆です。米国のフィットネス企業 Set For Set(メイスの練習ガイドを出している)は、10-to-2のほうが難しいとして360を先に身につけるよう勧めています。いきなり一周させるのが怖いときは、次の練習から入ります。

練習やり方ねらい
振り子頭の後ろでメイスを振り子のように揺らす(握りはゆるめ)重さと揺れ方に体を慣らす
10時・2時で止める10時で止める→2時へ動かして止める、をくり返す軌道を区切って覚える
プルオーバー頭の後ろから前へ引き戻す動きだけを練習(最初は両手を離して握る)360の後半を覚える
短く握って360柄の中ほど(ローレット=滑り止めの刻み)を握って一周させ、慣れたら手を柄の端へずらす軽くした状態で360を通す

出典:Set For Set(米国のフィットネス情報サイト)の解説記事 360と10-to-2の練習法、初心者向けの重さの目安を確認しました(2026年10月8日確認)。360と10-to-2の練習法/どの重さを買うべきか

初心者は何kgから?重さの目安と頻度

メイスはポンド表記で売られていることが多く、7・10・15・20ポンドと刻みます。Set For Set の目安を kg に直すと次のとおりです。

人目安kg換算
初心者(男女とも)10ポンド約4.5kg
筋力に自信がない人・一部の女性7ポンド約3.2kg
筋トレ経験が長い男性15ポンド約6.8kg

これはメイスの目安です。柄が短く重心の位置も違うクラブベルの重さは、この表とは別に考えてください。

  • 先端が重いぶん、数字以上に重く感じる。同じ記事は、20ポンドを特定の姿勢で支えるだけでもかなりキツいと書いている
  • 重すぎたら買い直す前に柄を球に近い側で短く握る。てこが短くなって軽くなる。逆に柄の端に向かって手を寄せるほど難しくなる
  • 頻度は週2〜3回で十分。握力や肩を酷使するので回復も大事
  • まず軽い重量でフォーム習得。重さより「安全な軌道」を優先

360がうまく回らないときに見直す4つ

軽いメイスでも軌道がぶれる、肩や腰に変な力が入る。そんなときは筋力より握り方と姿勢を疑います。Set For Set が挙げる注意をもとに、症状から引けるように整理しました。

症状原因になりやすいこと直し方
前腕がすぐパンパンになる柄を目いっぱい握りしめている落とさない程度に握り、軌道は体で作る
腰が反る・お腹が抜ける振り上げで肋骨が前に開いている肋骨を締めて、お腹を固めたまま回す
球がどこを通っているか分からない重りの球から目を離しているできるだけ球を目で追う
回すたびに軌道がずれていく握りを柄の端へずらすのを急いでいる短く握った360に戻して、ずらすのは少しずつ

それでも軌道が乱れるなら、重さが合っていない可能性が高いです。柄を短く握るか、7ポンドに下げる。無理に回し続けると、ぶれた軌道のほうが体に染みつきます。

【要注意】安全に始めるために

振る器具ならではの注意点があります。

  • 頭の後ろを通す動作は危険。軽い重量で軌道を完全に覚えてから
  • 手を離すと飛んでいく。周囲に人・物がない広い場所で
  • 肩・肘・手首に痛みが出たら中止。無理な可動域は禁物
  • 握力が先に疲れるので、握れなくなったら休む

こんな人に向く

  • ダンベルの筋トレに飽きた・刺激を変えたい人
  • 握力・肩の可動域を鍛えたい人
  • ゴルフ・野球・格闘技など回旋動作の多いスポーツをする人
  • BIG3など基本種目の補助・アクセントを入れたい人(「筋トレの基本BIG3」)

重心が手から離れた器具をもう1つ持つなら、ケトルベルが候補です。最初の重さの選び方と、スイングで腰を痛めないフォームは「ケトルベル入門」で確認できます。

まとめ

  • メイスベル/クラブベルは先端が重い“振る”器具。握力・肩・体幹に効く
  • クラブ=握力・手首、メイス=肩の可動域・回旋と得意が違う
  • 初心者のメイスは10ポンド(約4.5kg)前後、不安なら7ポンド(約3.2kg)。重ければ柄を短く握る
  • 種目は360が先。振り子や短く握った360で慣らし、10-to-2はそのあと
  • 頭の後ろの動作・手離れに注意。広い場所で安全に

最初の一歩

買う前に、家の中で腕を回しても天井や家具に当たらない場所があるかを確かめます。メイスを手にしたら、初日は回さずに振り子だけを左右10回ずつ。重さの揺れ方に慣れたら、柄の中ほどを握って360をゆっくり5回。球を目で追い、肋骨を締めたまま回せたら、その日は終わりにします。握りを柄の端へずらすのは、短い握りで軌道がぶれなくなってからで十分です。

ご注意: 振る器具は当たると大ケガや物損につながります。周囲の安全を確保し、軽い重量でフォームを習得してから重さを上げてください。肩・肘・手首・腰に持病のある方、痛みが出た方は無理をせず、必要に応じて医師にご相談ください。効果や適切な重量には個人差があります。