インターバル速歩とは?3分の早歩きと3分のゆっくり歩きを5セット

2026年7月8日 公開 / 2026年9月22日 更新
早歩きをする人と、時計・速い/遅いを表す矢印のイラスト。インターバル速歩

2025年、海外のSNSや米・ワシントン・ポスト紙で「Japanese Walking(ジャパニーズウォーキング)」が話題になりました。名前こそ新しいですが、その正体は日本発の「インターバル速歩」。特別な道具もジムもいらず、歩き方を少し変えるだけで運動効果がぐっと上がる。そんな、運動が苦手な人にこそ試してほしい方法です。

結論
  • ジャパニーズウォーキング=早歩き3分+ゆっくり歩き3分を交互に繰り返す「インターバル速歩」
  • 信州大学・能勢博教授が考案。5か月で体力が最大20%向上し、生活習慣病指標が20%改善と報告されている
  • ダラダラ歩く「1日1万歩」より、短時間で効率的とされるのが人気の理由

ジャパニーズウォーキングの正体はインターバル速歩|信州大学発の歩き方

正式にはインターバル速歩。信州大学の能勢博(のせ ひろし)教授らが考案・研究してきた歩行法で、名前のとおり「速い」と「ゆっくり」をインターバル(間隔)で切り替えて歩きます。2025年に海外で”Japanese Walking”としてバズり、逆輸入で日本でも再注目されました。

ポイントは、ずっと同じペースで歩かないこと。速歩きで体に少し負荷をかけ、ゆっくり歩きで回復させる。これを繰り返すのがミソです。

やり方は早歩き3分+ゆっくり歩き3分を5セット|1日30分・週4日から

やることは、たったこれだけ。

ステップ内容時間
① 早歩きややきつい速さで歩く3分
② ゆっくり歩き息を整えるペースで歩く3分
①②を繰り返す1セット=6分 × 5セット合計30分

目安は「1日30分(5セット)を、週4日以上」、または週に合計60分以上の早歩き。まとめて30分がきつければ、朝と夜に分けてもOKです。

早歩きの強度は「会話が少しきつい」まで|ニコニコ話せるなら軽すぎる

効果のカギは、早歩きの強度。同センターの説明では、速歩は最大体力の70%以上、ゆっくり歩き(緩歩)は40%以下という切り替えで、速歩のほうが「ややきつい」と感じる速さにあたります。感覚でいうと、

  • 息が弾み、会話が少しきついくらい
  • 大股で、かかとから着地し、腕を大きく振る
  • 「ニコニコおしゃべりできる」ペースでは軽すぎる

ゆっくり歩きは、逆にらくに息が整うペースで。この緩急が、普通のウォーキングとの決定的な違いです。

5か月続けた研究で報告された変化|体力が最大20%向上

考案者である能勢博教授が理事長を務めるNPO法人 熟年体育大学リサーチセンターは、5か月のインターバル速歩で「体力が最大20%増加し、生活習慣病指標が20%改善し、医療費が20%抑制される」ことが明らかになったとし、これを「20%の法則」と呼んでいます。あわせて、体力の向上にともなって抑うつ気分・睡眠の質・交友関係といった生活全般の質も向上したと説明しています(2026年9月22日確認)。

生活習慣病指標の中身は4項目|高血圧・高血糖・肥満は減り、脂質異常は変わらなかった

この「生活習慣病指標」の中身も、同センターの生活習慣病予防効果のページに書かれています。血圧・空腹時血糖・BMI・中性脂肪/HDLコレステロールの4項目を点数化したもので、「なんとなく健康になる」ではなく数字で追える指標です。中高年(平均年齢66歳)を対象にした4か月の検証では、トレーニング後に高血圧・高血糖・肥満に該当する人がそれぞれ30%減った一方、脂質異常については顕著な改善を認めなかったとも書かれています。効くところと効かないところがはっきり分かれている、ということです(2026年9月22日確認)。

骨密度は「もともと低かった人ほど上がった」|閉経後女性234名の5か月

骨密度については別の報告があります。信州大学は2025年2月、閉経後の女性234名を対象にした研究として、5か月のインターバル速歩でもともと骨密度が低かった人ほど骨密度が上がり、もともと高かった人は維持されたという結果を公表しています。「誰でも骨密度が上がる」ではなく、低い人ほど伸びしろが大きいという読み方になります。

出典:信州大学 研究ハイライト(2025年2月17日) 「インターバル速歩で健康寿命を延ばす!骨密度の向上効果を実証」。閉経後女性234名を対象に、1日5セットを週4日以上・5か月間実施し、腰椎と大腿骨頸部の骨密度を二重エネルギーX線吸収法(DXA)で測定した結果です。原著は PLoS One 2024;19(9):e0309936(2026年9月22日確認)。

資料で確認できた効果と、まだ確認できていない効果を分けておく

「速く歩くだけ」ではなく、緩急をつけることで、無理なく負荷を高められるのが、この方法が評価されている理由です。方向性は厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023が成人に示している「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」とも一致します。なお膝や腰の痛みの軽減は書籍や講演でよく語られる効果ですが、上に挙げた2つの公表資料には含まれていないので、この記事では確認できた範囲だけを載せています。

「1日1万歩」との違い

「毎日1万歩」を目標にしている人も多いですが、ダラダラ長く歩くより、短くても緩急をつけたほうが効率的というのが、インターバル速歩の考え方です。歩数を稼ぐことより、「ややきつい」時間を作ることが体力アップの近道。時間がない人ほど、1万歩より30分のインターバル速歩が向いています。

運動が苦手な人・膝腰が不安な人ほど向く理由

  • 運動が苦手な人や久しぶりに体を動かす人。ジムもマシンも要らず、歩くだけで始められます
  • 膝や腰が不安な人にも、走るより関節への衝撃が小さくて向いています
  • 時間がない人でも、1日30分・週4日から取り組めます
  • 筋トレ後の有酸素枠としても使えます(順番は有酸素と筋トレどっちが先?)

続けるコツと注意点

  • 時計・スマホのタイマーで3分ごとに切り替える(アプリでもOK)
  • 通勤や買い物の道を「速歩き区間」にすると、生活に組み込める
  • 水分補給と、暑い時期の熱中症対策を忘れずに
  • 準備運動と、痛みが出たら中止する意識を

毎日歩くなら、クッションのある運動靴を用意すると足やひざへの負担が減ります。

毎日やるべき?ダイエットや筋トレとの兼ね合い

  • Q. 毎日やらないとダメ?/ A. まずは週4日が目安。毎日でなくても、続けることが一番大事です。
  • Q. ダイエット効果はある?/ A. 消費エネルギーが増え、体力も上がるので減量の後押しになります。ただし基本は食事管理とセットで(お腹を凹ます手順)。
  • Q. 筋トレの代わりになる?/ A. 脚の筋力や持久力には効きますが、全身の筋肉づくりは筋トレが得意分野。役割が違うので、組み合わせると効果的です。

変わり種の歩き方では「後ろ歩きの効果」も、普段使わない筋肉を刺激できて面白い選択肢です。歩きの強度をもう一段上げたいなら、「加重ベスト(ウェイトベスト)」を着て歩くのも手軽で効果的です。

まとめ

  • ジャパニーズウォーキング=日本発の「インターバル速歩」。早歩き3分+ゆっくり3分を繰り返す
  • 早歩きは「ややきつい・会話が少しきつい」強度が目安
  • 1日30分・週4日から。5か月で体力が最大20%向上・生活習慣病指標が20%改善、骨密度は低い人ほど上がったと報告
  • 歩数を稼ぐより「緩急」。時間がない人ほど相性がいい

30分がまとめて取れない日は、セット数のほうを落として構いません。3分+3分を2セットでも緩急はつきます。守るのは5セットという数ではなく、早歩きの3分を最後まで同じ強度で通すことです。歩数のほうで日々を管理したい人は「1日何歩歩けばいい?」に、8000歩前後という目安と1万歩に根拠がない経緯があるので、緩急と歩数のどちらを軸にするか比べやすくなります。

ご注意: 効果には個人差があり、本文の数値は研究上の傾向です。持病のある方、心臓・血圧・膝腰に不安のある方、運動習慣のない方は、始める前に医師にご相談ください。体調の悪い日や、痛み・息苦しさがあるときは中止してください。