ディップスのやり方|胸の下部と二の腕に効く「上半身のスクワット」

2026年7月20日 公開 / 2026年7月20日 更新
平行棒で体を支えて下ろすディップスの姿勢の人物の線画イラスト。胸下部・二の腕をボルト色で強調

自重だけで上半身を強烈に追い込める種目、それが ディップスです。下半身のスクワットになぞらえて「上半身のスクワット」とも呼ばれ、胸と二の腕をまとめて鍛えられます。しかも前傾のさせ方で効く場所を変えられるのが面白いところ。この記事では、効く部位・正しいフォーム・肩を痛めないコツ・できない人の練習法を図とともに解説します。

効く部位

ディップス
ディップスのフォームと、主に効く部位(胸の下部(大胸筋)・二の腕(上腕三頭筋)・肩の前)を示した図
効く部位 胸の下部(大胸筋)二の腕(上腕三頭筋)肩の前

ディップスで鍛えられるのは、胸の下部(大胸筋下部)・二の腕の裏(上腕三頭筋)・肩の前(三角筋前部)です。ポイントは、体の傾け方で主役が変わること。

  • 上体を前に傾ける → 胸(大胸筋下部)に効く
  • 上体をまっすぐ立てる → 二の腕(上腕三頭筋)に効く

狙いたい部位に合わせて前傾を調整できる、一石二鳥の種目です。

基本のやり方

  1. 平行棒(ディップスバー)を両手で握り、腕を伸ばして体を持ち上げるスタート姿勢をとる
  2. ひじを曲げながら、体をゆっくり下ろす。胸を狙うなら上体を少し前傾させる
  3. 上腕が床と平行になるあたりまで下げる(下げすぎない)
  4. 手のひらで押して元の位置まで体を押し上げる
  5. 8〜12回を目安に、2〜3セット

呼吸は下ろすときに吸い、押し上げるときに吐くのが基本です。

肩を痛めない「深さ」の見極め

ディップスで最も注意したいのが下げすぎです。「深く下ろすほど効く」と思って、肩が耳に近づくまで沈み込むと、肩関節に大きな負担がかかり、痛めの原因になります。

安全な目安は「上腕が床と平行になるあたりで止める」こと。ここまでで胸にも二の腕にも十分な刺激が入ります。肩に違和感が出る人は、無理に深くせず可動域を狭めて行いましょう。可動域より、痛みなく続けられることのほうが大切です。

ディップスができないときの練習法

ディップスは自重種目のなかでも難度が高く、最初は1回もできない人も珍しくありません。段階を踏んで近づきましょう。

  • ベンチディップス:椅子やベンチのふちに手をつき、足を前に出して体を上下させる。負荷が軽く入門に最適 → 腕のトレーニング でも扱う自重種目です
  • アシスト(補助)を使う:ディップス補助マシンや、バーにかけたゴムバンドに足や膝をのせて負荷を軽くする
  • ネガティブディップス:押し上げは補助を使い、下ろす動作だけをゆっくり耐える。筋力がつきやすい

まずはベンチディップスで動きに慣れ、少しずつ本格的なディップスに移行しましょう。

バーの幅と、回数・頻度の目安

平行棒のも効きに影響します。肩幅程度だと二の腕(三頭筋)が働きやすく、肩幅より少し広いと胸への負荷が増えます。ただし広すぎると肩が不安定になり痛めやすいので、肩幅〜こぶし1つ分ほど広い程度までにとどめましょう。ジムのディップスバーが固定幅のときは、前傾の角度で効き分ければ十分です。

回数は、自重で8〜12回を2〜3セットが目安。これが楽にこなせるようになったら、ディップスベルトなどで重りを足して負荷を上げます。頻度は同じ部位は中1〜2日あけるのが基本で、胸や腕のトレーニング日に組み込むとよいでしょう。回復と超回復の考え方は 超回復とは? でも扱っています。

もう一つ、ディップスの隠れた価値が胸を大きく伸ばせる(ストレッチできる)ことです。下ろしたときに胸の下部がしっかり伸びるため、可動域を活かすと筋肉に大きな刺激が入ります。ただし前述のとおり肩を痛めない範囲で、が大前提です。

胸トレ・腕トレの中での位置づけ

ディップスは、胸を狙えば大胸筋下部を、腕を狙えば三頭筋を効率よく鍛えられる万能種目です。プレス系の ベンチプレス が胸の“押す力”の中心なら、ディップスは胸の下部の輪郭を作るのに役立ちます。胸全体のメニューは 胸の筋トレ を、二の腕を引き締めたい人は 二の腕(上腕三頭筋)の鍛え方 もあわせてどうぞ。

まとめ

  • ディップスは胸の下部と二の腕を自重で鍛えられる「上半身のスクワット」
  • 前傾させると胸、立てると二の腕に効き、傾け方で狙いを変えられる
  • 肩を痛めないため上腕が床と平行になるあたりで止める(下げすぎない)
  • できない人はベンチディップス・補助・ネガティブで段階的に

ご注意: ディップスは肩関節への負担が大きい種目です。体を下げすぎたり、肩に痛み・違和感があるまま続けたりすると、肩を痛める原因になります。痛みがある場合は可動域を狭めるか中止し、必要に応じて医療機関に相談してください。効果や適した負荷には個人差があります。

よくある質問(FAQ)

ディップスはどこに効きますか?
上体を前傾させると胸の下部(大胸筋下部)に、上体を立てると二の腕の裏(上腕三頭筋)に効きます。肩の前(三角筋前部)も補助的に働きます。前傾の角度で効く場所を変えられるのが特徴です。
ディップスができません。どう練習すればいいですか?
まずは椅子やベンチに手をついて足を前に出す「ベンチディップス」や、ディップスマシン・バンドの補助を使う方法から始めましょう。下ろす動作をゆっくり耐える(ネガティブ)練習も効果的です。
ディップスで肩が痛くなります。
体を深く下げすぎている可能性があります。肩が耳に近づくほど下げると肩関節に負担がかかるため、上腕が床と平行になるあたりで止めるのが安全です。痛みがある場合は可動域を狭くするか中止してください。