ビーレジェンドの「第三のプロテイン」は安いのか|NONFAT MILK PROTEINをたんぱく質1gあたりで並べ直す
ビーレジェンドが「第三のプロテイン」と銘打って出した NONFAT MILK PROTEIN が、7月からドン・キホーテの棚に並んでいます。原料は国産の脱脂粉乳100%。ホエイでもソイでもない3本目という売り文句と、1袋2,299円という値札のインパクトで気になった人が多いはずです。ただ、この商品を「安いプロテイン」として買うと、たぶん期待とずれます。公式に出ている成分値から単価を計算し直したうえで、それでも選ぶ理由が残る人はどういう人なのかを書きます。
- 1食40gあたりたんぱく質10g。含有率にすると約25%で、ホエイの3分の1程度
- たんぱく質1gあたりでは約17.7円。同社ホエイの約2倍、格安ホエイの約2.9倍
- 強いのはカルシウム363mg。効率ではなく栄養の底上げで選ぶ粉
- ドンキ先行版520g/公式・楽天版560gと、同名でサイズが2種類ある
ドンキ先行で7月20日発売|520gと560g、2つのサイズが出回っている
発売の流れは少し変わっています。2026年7月20日に全国のドン・キホーテ(一部店舗を除く)で先行販売が始まり、公式オンラインショップでの取り扱いは8月以降とアナウンスされました。プロテインは通販が主戦場の商品なので、量販店から入るのは珍しい出方です。
ややこしいのは、同じ商品名で内容量が2種類あることです。ドン・キホーテ先行版は520g、公式ショップと楽天市場に並んでいるものは560gでした。40gの差は、この商品の1食ぶんちょうどにあたります。
| 項目 | ドン・キホーテ先行版 | 公式・楽天版 |
|---|---|---|
| 内容量 | 520g(13食分) | 560g(14食分) |
| 価格 | 2,299円(税抜) | 2,480円(税込) |
| 発売 | 2026年7月20日 | 8月以降 |
食品の税率で税込に直すと、520g版もおよそ2,480円になります。値段はほぼ同じで中身が1食ぶん多い、というのが公式・楽天版の位置づけです。急いでいなければ、こちらを基準に考えたほうがいいと思います。
フレーバーはカフェオレ、ミルクココア、バナナオレの3種。3つとも牛乳を思わせる方向でそろえてあって、フルーツ系やチョコ系を大量に持っているビーレジェンドの本体ラインとは別の顔をしています。人工甘味料を使わず植物由来のステビアで甘みをつけている点も、本体ラインとは違う設計です(2026年8月27日、楽天市場の公式ショップの商品説明で確認)。
「国産脱脂粉乳100%」でホエイと何が入れ替わったのか
脱脂粉乳は、牛乳から脂肪を抜いて粉にしたものです。牛乳の栄養がほぼそのまま残るので、たんぱく質もカルシウムもビタミンも一通り入っている代わりに、乳糖という糖も一緒に残ります。ホエイが牛乳から特定のたんぱく質だけを取り出した「抽出物」なのに対して、脱脂粉乳は「牛乳から脂だけ抜いたもの」です。この差が、あとで見る単価の話にそのまま効いてきます。
カテゴリとしての脱脂粉乳系プロテインの成り立ちや、ホエイとの一般的な違いは「スキムミルクプロテインとは」にまとめてあります。あちらがカテゴリ全体の入門で、この記事はそのカテゴリに出てきた1商品を買うかどうかの判断です。重なる説明はそちらに預けて、ここでは数字のほうに進みます。
公式の成分表示にあたる数値として、楽天の公式ショップの商品説明にはミルクココア風味の1食40gあたりの値が載っていました。たんぱく質10g、カルシウム363mgです。エネルギーや炭水化物の内訳は、この記事を書いた時点では公式サイトにも各モールにも見当たらなかったので、ここでは触れません。ただ、たんぱく質10gという1点だけで、この商品の性格はほぼ決まります。40gの粉のうち10gがたんぱく質なので、含有率はおよそ25%です。ホエイのWPCが70〜75%あることを思えば、3分の1くらいの濃さになります。
この商品が生まれた理由は、余っている脱脂粉乳のほうにある
なぜ今このカテゴリなのかは、プロテイン市場ではなく酪農のほうを見ると分かります。国内では牛乳の消費が落ちていて、その分の生乳が脱脂粉乳とバターに回されているのですが、バターと違って脱脂粉乳の需要は伸びていません。結果として在庫が積み上がる構造になっています。
農林水産省 畜産局牛乳乳製品課の第11回生乳の需給等に係る情報交換会 説明資料(令和7年10月)は、令和5年度以降の脱脂粉乳の過剰について、牛乳需要の減少と、バターに比べて発酵乳などの需要が伸びなかったことを主な要因として挙げています。同資料によれば、平成28年度から令和3年度に405〜409万トンあった牛乳等仕向け量は令和7年度の見込みで384万トンとなり、最大で25万トンほど減っています。これは脱脂粉乳に換算して2万トン強にあたるとされています(2026年8月27日確認)。
Real Style も発表時に農林水産省の資料を引き、2025年度末の脱脂粉乳在庫が8万2,800トンに達する見通しだと説明していました。そのうえでJA全農の「ニッポンエール 酪農応援プロジェクト」と組み、余っている国産脱脂粉乳に新しい出口を作る取り組みとして、開発におよそ2年をかけたと発表しています。
つまりこの商品は、「もっと安くたんぱく質を摂れる粉を作ろう」という発想から出てきたものではありません。起点にあるのは、余っている原料に使い道を作るという供給側の課題のほうです。ここを取り違えると、次の単価の話で肩透かしを食らいます。
【深掘り】粉が安いことと、たんぱく質が安いことは別物だった
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。1袋2,480円という値札は、プロテインの相場からすると確かに安い。でも「粉が1g何円か」と「たんぱく質が1g何円か」は別の数字で、含有率が低い商品ほど2つの数字は大きく開きます。同じ土俵に並べ直してみます。
| 商品(内容量・含有率) | 粉1gの値段 | たんぱく質1gの値段 |
|---|---|---|
| ノンファットミルク(560g・25%) | 約4.4円 | 約17.7円 |
| ビーレジェンド WPC(900g・70%) | 約6.3円 | 約9.0円 |
| エクスプロージョン ホエイ(3kg・75%) | 約4.6円 | 約6.1円 |
| エクスプロージョン SMP(3kg・35%) | 約1.8円 | 約5.2円 |
粉1gの列だけを見れば、ノンファットミルクの4.4円はビーレジェンドのホエイ(6.3円)より安く、格安の代名詞であるエクスプロージョンのホエイ(4.6円)ともほぼ並んでいます。ところが右の列に移った瞬間、順位がひっくり返ります。たんぱく質1gで見ると17.7円で、いちばん高い。エクスプロージョンのホエイとは粉の値段がほとんど同じなのに、たんぱく質の値段では約2.9倍の開きになります。
たんぱく質20gを摂るのにいくらかかるか、という形にするともっと分かりやすいと思います。ノンファットミルクなら約354円、ビーレジェンドのホエイなら約181円、エクスプロージョンのSMPなら約105円です。1杯あたりで3倍以上ひらく計算なので、毎日の話になると効いてきます。ちなみに同じ脱脂粉乳系のSMPが5.2円と圧倒的に安いのは、3kgという大容量で売られているからで、原料が脱脂粉乳だから安くなるわけではありません。ここも誤解しやすいところです。
内容量と含有率からたんぱく質1gあたりの単価を出す手順そのものは「ホエイプロテインのコスパ比較」で扱っています。定番ホエイの現在地を知りたい人はそちらへ。この記事の表は、その物差しを新商品1本に当ててみた結果です。
応援して買うのと、実利で選ぶのは分けて考える
ここで慌てて「だから買う価値がない」と言いたいわけではありません。むしろ逆で、この2つの話を混ぜて書く記事が多いから読者が混乱するのだと思っています。
国産の脱脂粉乳を使って余った原料に出口を作るという取り組みには、値段とは関係のない価値があります。それに納得してお金を出すのは、まっとうな買い方です。ただしそれは「日本の酪農に月2,480円を回す」という話であって、「安くたんぱく質を摂る」という話とは別の財布から出ています。
危ないのは、応援の気持ちで買った人が、たんぱく質のコスパも同時に良くなったと思い込んでしまうことです。1食10gの粉に主力を任せると、これまでホエイ1杯で埋めていた20gの枠が半分になります。気づかないうちに1日の合計が落ちて、なぜか調子が上がらないという状態になりかねません。買うなら、ホエイを減らさずに足す形にするのが安全です。
ホエイ自体の値段がなぜここまで上がったのかという背景側は「プロテインはなぜ値上げ?」にまとめてあります。この記事が「値上げ局面で出てきた新カテゴリ1商品の値踏み」で、あちらが「そもそも何が起きているのか」という分担です。
カルシウム363mgは、この粉のいちばん強い数字
単価の話ばかりしてきたので、この商品が明確に勝っている部分も書いておきます。1食40gあたりカルシウム363mgという数値です。
厚生労働省の e-ヘルスネットのカルシウムの解説によれば、日本人の食事摂取基準(2025年版)が示す1日の推奨量は成人男性で750mg(18〜29歳は800mg)、成人女性で650mg(75歳以上は600mg)とされています(2026年8月27日確認)。この基準に照らすと、1食で成人女性の推奨量のおよそ半分、成人男性でもおよそ半分近くを埋められる計算になります。
カルシウムは日本人に不足しがちな栄養素として長く挙げられてきたものです。ホエイプロテインにもカルシウムは入っていますが、量はもっと少ないのが普通で、そこを目的に選ぶ粉ではありません。牛乳をあまり飲まない人が、たんぱく質のついでにカルシウムも入れられる商品と考えると、363mgという数字には意味があります。
言い換えると、この粉はたんぱく質の効率で負けている代わりに、栄養の幅で勝っている商品です。冒頭で「安いプロテインとして買うとずれる」と書いたのは、この向き不向きのことでした。
買う前に自分で確かめる3つ|お腹・目的・買い続けられるか
最後に、レジに向かう前に自分で確認できることを3つ挙げます。
1つ目は、乳糖でお腹が緩くならないかどうかです。脱脂粉乳ベースの粉は乳糖をそのまま含んでいるので、牛乳をコップ2杯飲むとお腹がゴロゴロするタイプの人は、同じことが起きても不思議ではありません。まず1袋を買って、最初の数日は1食ぶんの半量から試すのが無難です。乳糖でつまずいた経験がある人の行き先としては、配合で乳糖を約3分の1に抑えにきた「ミセルミックスプロテイン(MXP)」もあります。あちらは同じ「ホエイより安い」枠でも乳糖の量を設計で下げた商品なので、原料の性格が違います。
2つ目は、自分が求めているのが効率なのか底上げなのかです。ここは表にします。
| あなたの状況 | この粉は合うか | 理由 |
|---|---|---|
| 増量中で1日2杯以上飲む | 合わない | 単価差が毎日積み上がる |
| 減量中で総量をきっちり管理 | 合わない | 1食10gは枠として使いにくい |
| 食が細く栄養全体が心細い | 合う | たんぱく質とカルシウムを同時に補える |
| 牛乳をほぼ飲まない | 合う | カルシウムの穴を1杯で埋められる |
| 甘味料の種類が気になる | 合う | 人工甘味料不使用の数少ない選択肢 |
3つ目は、買い続けられる経路があるかです。現時点ではドン・キホーテ先行から公式へと広がっている途中で、近所の店に必ず置いてあるとは限りません。1袋14食なので、毎日1杯飲めば2週間で切れます。気に入ったのに買えないというのは地味に困るので、最初の1袋を買う前に、通販で継続的に手に入る形かどうかを一度見ておくといいと思います。
まとめ
- NONFAT MILK PROTEIN は国産脱脂粉乳100%の「第三のプロテイン」。2026年7月20日にドン・キホーテ先行で発売され、公式は8月以降の取り扱いです
- 1食40gあたりたんぱく質10g、含有率にすると約25%。ホエイの3分の1程度の濃さです
- たんぱく質1gあたりは約17.7円で、粉1gの値段が近いエクスプロージョンのホエイと比べると約2.9倍。粉の安さとたんぱく質の安さは別物でした
- 明確に勝っているのはカルシウム363mg。効率ではなく栄養の底上げで選ぶ粉です
- 同名で520gと560gの2サイズが出回っています。税込に直すとほぼ同額なので、560gのほうが1食ぶん得です
ご注意: 価格・内容量・在庫・フレーバーは時期や販売店で変わります。購入前に公式および各モールの最新情報をご確認ください。本文の栄養成分はミルクココア風味の1食40gあたりの値で、フレーバーによって異なる場合があります。乳成分のアレルギーがある方、乳糖でお腹の調子を崩しやすい方は、原材料表示を必ず確認したうえで少量から試してください。持病があり食事管理を受けている方は、主治医や管理栄養士にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- NONFAT MILK PROTEIN はどこで買えますか?
- 2026年7月20日から全国のドン・キホーテ(一部店舗を除く)で先行発売され、公式オンラインショップでの取り扱いは8月以降とアナウンスされました。楽天市場の公式ショップでは560g・2,480円(税込)で並んでいます(2026年8月27日確認)。ドン・キホーテ先行版は520g・2,299円(税抜)なので、同じ商品名でも内容量が40g違います。
- ホエイプロテインの代わりになりますか?
- たんぱく質を効率よく摂る目的なら代わりにはなりません。1食40gあたりのたんぱく質は10gで、含有率に直すとおよそ25%です。同じ金額でたんぱく質を集めるならホエイのほうが有利なので、この商品は主力を置き換える粉ではなく、1日の栄養を底上げする枠として使うほうが役割に合っています。
- 人工甘味料は使われていますか?
- 楽天市場の公式ショップの商品説明では、人工甘味料は使わず植物由来のステビアで甘みをつけているとされています(2026年8月27日確認)。甘味料の種類を気にして粉を選んでいる人には数少ない選択肢になりますが、購入前にパッケージ裏面の原材料表示で最終確認してください。