食べても太れない人が10kg増やした方法|ウエイトゲイナーの飲み方と、やめどき

2026年8月10日 公開 / 2026年8月10日 更新
濃いシェイクの入ったシェイカーと、ごはん・鶏肉・サラダの食事セットを並べた線画イラスト。シェイクは食事に上乗せするものだと示している

ご飯はしっかり食べているつもりなのに、体重計の数字が動かない。太りたい人にとって、これはかなり切実な悩みです。この記事を書いている本人がまさにそうで、食事を意識しても60kg前後から抜け出せませんでした。そこからウエイトゲイナーを使い、5kg袋を3つ飲み終える頃には70kg程度まで増えています。

ただし、同じものを買っても「飲んでいるのに増えない」という人も同じくらい多い。差が出るのは製品ではなく、ほとんどが使い方のほうです。何を選び、どう飲めば増えるのか。逆にやってはいけない飲み方は何か。飲みすぎたときに実際どうなったのかも含めて、正直に書きます。

結論
  • ゲイナーは食事に「上乗せ」するもの。置き換えたら増量にならない
  • 「ゲイナー」表記でも中身は別物。1食のkcal・たんぱく質・糖質の3つで判断する
  • ドロっとして飲みにくいなら規定より薄めて2回に分けるのが現実的
  • 表示量を超えて飲まない。増えるスピードは飲む量では買えない
  • 目標体重に届いたらふつうのホエイに戻す。一生飲み続ける製品ではない

ウエイトゲイナーとは、たんぱく質に糖質を足した増量用の粉

ウエイトゲイナー(ゲイナー)は、ホエイなどのたんぱく質に、マルトデキストリンのような糖質を大きく足した粉です。目的は増量ひとつ。体重が増えない人は、そもそも1日の摂取カロリーが足りていないことがほとんどなので、固形の食事では入りきらないぶんを液体で足すための道具、と考えると分かりやすいです。

ふつうのホエイプロテインとの違いは、たんぱく質の量ではなくカロリーの出どころにあります。ホエイは1食100kcal前後で、そのほとんどがたんぱく質。ゲイナーは1食400kcalを超えるものもあり、増えているぶんの大半は糖質です。

一般的なホエイプロテインウエイト ゲイナー ブレンド(マイプロテイン)ウェイトアップ(ザバス)
1食の粉量約25〜30g100g約29g
エネルギー約110kcal383kcal105kcal
たんぱく質約20〜24g29g5.0g
炭水化物約2〜3g51g20.4g
溶かす水分200〜300ml500ml200ml

数値は各社の公式サイトの栄養成分表示より(2026年8月10日確認)。フレーバーによって多少前後します。

「ゲイナー」と書いてあっても、中身はまったく違う

上の表で気づいてほしいのが、ザバスのウェイトアップです。増量向けの製品名ですが、1食のたんぱく質は5.0gしかありません。中身のほとんどはマルトデキストリン、つまり糖質です。これは手抜きの製品という意味ではなく、そもそも「プロテインとは別に、糖質を足すための製品」という設計だからです。ふだんのプロテインをこれに置き換えてしまうと、たんぱく質が一気に減ってしまいます。

一方でマイプロテインのゲイナーは1食にたんぱく質29gと炭水化物51gが入っていて、こちらはプロテインの役割も兼ねます。同じ棚に並んでいても役割が違うので、パッケージの言葉ではなく、栄養成分表示の3つの数字を見るのが確実です。

  • 1食あたりのエネルギー。何kcalを上乗せする製品なのか
  • 1食あたりのたんぱく質。プロテインの代わりになるのか、別に必要なのか
  • 1食あたりの炭水化物。それに対して溶かす水分がどれだけ必要か

たんぱく質と炭水化物の比率は、増量目的なら1対2から1対3くらいが一つの目安としてよく挙げられます。自分がすでにプロテインを飲んでいるなら糖質寄りの製品でもよく、これ1つで済ませたいならたんぱく質もしっかり入ったものを選ぶ、という順で考えると迷いにくいです。1日に必要なたんぱく質量そのものはタンパク質は1日どれくらい必要かにまとめています。

食事の代わりに飲むと、体重は増えない

ここが最大のポイントです。ゲイナーは食事の置き換えではなく、上乗せで使うものです。

増量が進むかどうかは、1日の合計カロリーが消費を上回っているかどうかだけで決まります。昼食を抜いてゲイナーを飲んだ場合、足した400kcalと抜いた600kcalが相殺されて、むしろマイナスになることすらあります。「ちゃんと飲んでいるのに増えない」人の多くが、知らないうちにこの置き換えをしています。

液体は満腹感が残りにくい、という性質を利用するのが本来の使い方です。固形の食事をあと1食ぶん増やすのはきついけれど、飲み物なら入る。その差を埋めるための道具だと考えてください。増量のカロリー設定そのもの(維持カロリーからいくら上乗せするか、体重を何kgペースで増やすか)はリーンバルクとは?脂肪をつけすぎず筋肉を増やす“きれいな増量”のやり方で扱っているので、この記事は製品の使い方、あちらは増量の設計、という役割で読み分けてもらえると分かりやすいです。

注意したいのは、飲むタイミングによっては結局これも置き換えになってしまうことです。食事の30分前に500ml飲めば、当然その食事は入りません。食事と食事のあいだ、次の食事まで2時間以上あくところに置くのが基本になります。

5kg袋を3つ。60kgから70kgになるまでにやったこと

実際に増えたときの中身を書いておきます。前提として、食事を抜いていたわけではありません。ご飯もおかずも人並みに食べていて、それでも体重が動かない状態でした。いわゆるハードゲイナーで、太れない理由が「食べていないから」だと片付けられない人は珍しくありません。

やったことはシンプルで、いつもの食事はそのままに、ゲイナーを1日1回、食事と食事のあいだに足しただけです。買ったのは5kgの大袋。1食100g換算で1袋がおよそ50食分なので、3袋で150食ぶんになります。それを飲み終える頃に、体重は60kgから70kg程度まで増えました。

内容
買ったもの増量用プロテイン(ゲイナー)5kg袋
飲んだ量1日1回、食事とは別に上乗せ
消費した量5kg袋を3つ(1食100g換算で約150食分)
体重の変化60kg前後 → 70kg程度
そのあとふつうのホエイプロテインに切り替え

ここで正直に補足しておくと、このペースは増量としては速い部類に入ります。ゆっくり増やすほど脂肪の増加は抑えやすいので、体脂肪をなるべくつけたくない人はリーンバルクの考え方で、上乗せ幅を小さくするほうが向いています。とにかく体重を増やしたいのか、きれいに増やしたいのか。そこを決めてから量を決めると失敗が減ります。

増えた要因を分解すると、特別なことは何もしていません。食事を減らさなかったこと、休みの日も止めなかったこと、そして1日1回を長く続けたこと。この3つだけです。逆に言えば、このどれかが欠けると増えません。

飲みにくさは「薄めて2回に分ける」で解決する

ゲイナーの最大の脱落理由は、味ではなく飲みにくさです。糖質を多く含む粉は溶けにくく、規定量どおりに作るとドロっとしたシェイクになります。しかも1食の量そのものが多い。マイプロテインの公式の作り方は粉100gに対して水または牛乳500ml、上位製品では水750〜1000mlという指定もあります。1リットル近い甘い液体を一気に飲み干すのは、慣れていない人にはかなりつらい作業です。

現実的な対処は次のとおりです。

  • 規定の水分量より多めにして、2回に分けて飲む。1回あたりの負担が半分になり、消化にも優しい
  • 粉を先に入れず、シェイカーに水を入れてから粉を足す。底にダマが固まりにくくなる
  • 冷水より常温の水のほうが溶けやすい。氷を入れるのはよく混ざってから
  • シェイクしたあと1〜2分置いてから飲む。泡と粉っぽさが落ち着く
  • 牛乳で割るとカロリーは増えるが、その分もったりして飲みにくくなる。飲み切れないなら水で薄めるほうが結果的にカロリーは入る

とくに最初の1週間は、いきなり規定量を飲まずに半量から始めるのが無難です。糖質を一度に大量に流し込むとお腹がゆるくなる人がいて、それで飲むのをやめてしまうのが一番もったいない。少量から様子を見て、平気そうなら増やしていくほうが続きます。

増えない人がやりがちな失敗

飲んでいるのに体重が動かないとき、原因はだいたいこのあたりに集約されます。

  • 食事を減らしてゲイナーに置き換えている。前述のとおり、これでは合計カロリーが増えない
  • 食事の直前に飲んでいる。満腹で主食や肉が入らなくなり、結果的に置き換えと同じ状態になる
  • トレーニングをしない日に飲むのをやめている。増量は毎日の積み上げなので、休養日こそ止める理由がない
  • 体重を毎日測って一喜一憂している。水分で1kg単位で動くので、週の平均で見ないと判断できない
  • そもそも「食べているつもり」になっている。1日の摂取カロリーを一度も記録したことがないなら、まずそこから

最後のひとつは特に多いです。太れないと言う人の食事を記録してみると、思っていたより500kcal以上少なかった、というのはよくある話です。記録の始め方はカロリー管理アプリの使い方にまとめています。ゲイナーを買うのは、記録して足りないと分かってからでも遅くありません。

表示量を守る。増えるスピードは、飲む量では買えない

飲む量を倍にしても、筋肉が倍のスピードで増えることはありません。余ったぶんは脂肪になるか、体外に出ていくだけです。余ったたんぱく質の行き先についてはとりすぎたタンパク質はどうなる?で詳しく扱っています。

それでも焦っていると、つい規定量を超えて飲んでしまう。ここからは、実際にそれをやった結果です。

健康診断で肝機能の数値が跳ねた実例

早く体を大きくしたくて、プロテインとゲイナーを表示量を超えて飲んでいた時期の健康診断が、これです。

健康診断票の肝機能の欄。GOT(AST)は基準30以下に対して以前が17、飲みすぎていた時期は192。GPT(ALT)は以前が18、その時期は44。γ-GTPは25で変化なし。判定はAからFに変わっている
実際の健康診断票(肝機能の欄)。左の数値の列が以前でA判定、右の列が飲みすぎていた時期でF判定。
項目基準値以前(A判定)飲みすぎていた時期(F判定)
GOT(AST)30以下 U/l17192
GPT(ALT)30以下 U/l1844
γ-GTP50以下 U/l2525

数字だけ見るとぎょっとしますが、ここで正直に書いておきたいのは、この数値の原因を素人が断定はできない、ということです。ASTは肝臓だけでなく骨格筋にも多く含まれる酵素で、激しい運動のあとに一時的に上がることが知られています。ALTに比べてASTだけが極端に高いパターンは筋肉由来の可能性が指摘される一方、アルコールなど別の要因で同じような出方をすることもあります。つまり「筋トレのせいだから大丈夫」と自己判断するのが一番危ない結果でもあります。

出典:日本肝臓学会「奈良宣言2023」 健康診断などの血液検査でALTが30を超えていた場合、まずかかりつけ医等を受診することが推奨されている(2026年8月10日確認)。日本肝臓学会 奈良宣言特設サイト

この経験から言えるのは3つです。表示量を守ること。健診の直前に追い込んだトレーニングをしないこと(採血の値が動きます)。そして異常値が出たら、ネットで理由を探して安心せず、必ず再検査と医師の判断を受けること。増量を急いだところで筋肉がつく速度は変わらないのに、こういう形でブレーキがかかるのは本当にもったいないです。

お酒を飲んだあとに足すのはやめておく

飲み会のあとに「今日はたんぱく質が足りていないから」とゲイナーを流し込む。気持ちは分かりますが、これは避けたい組み合わせです。

アルコールを飲むと、体はまずその処理を優先します。同じタイミングで大量の糖質とたんぱく質を入れても、増量の役に立つ以前に負担が重なるだけです。加えて飲酒後は筋たんぱく質の合成が鈍る方向に働くと報告されていて、筋肉づくりの面でも相性がよくありません。お酒と筋トレの付き合い方はお酒は筋肉を分解する?にまとめています。

どうしてもカロリーを埋めたいなら、飲んだ日は諦めて、翌日の朝食と間食で取り返すほうが健全です。1日単位で完璧を目指すより、1週間の合計で見るほうが増量はうまくいきます。

やめどきは「目標体重に届いたとき」。そこからはホエイに戻す

ゲイナーは一生飲み続ける製品ではありません。役割は体重を引き上げるところまでで、目標のあたりまで来たら、ふつうのホエイプロテインに切り替えるのが自然な流れです。実際、70kg程度まで増えた時点でホエイに戻しました。

理由は単純で、必要なものが変わるからです。増量中は「たんぱく質+大量のカロリー」が要りますが、体重が乗ったあとは、その体重を維持しながら中身を整えるフェーズに移ります。ここで糖質の多い粉を飲み続けると、増えるのは体脂肪のほうになりがちです。ホエイなら1食100kcal前後でたんぱく質だけをしっかり足せるので、目的に合っています。

切り替えの目安は次のあたりです。

  • 目標体重に届いた。あるいは、あと少しのところまで来た
  • 体重が増え続けていて、お腹まわりの変化のほうが気になり始めた
  • 食事量そのものが増えて、ゲイナーがなくても体重が維持できるようになった

3つめは見落とされがちですが、大事な変化です。増量を続けていると胃も慣れて、以前より食べられるようになります。そうなればゲイナーの役目は終わりで、あとは食事で回せます。増量から通常の食事に戻していく進め方はリバースダイエット、切り替え先の選び方はプロテインの選び方が参考になります。

プロテイン+マルトデキストリンで自作もできる

ゲイナーは要するに「たんぱく質+糖質」なので、いま使っているプロテインにマルトデキストリンを足せば同じものが作れます。手持ちの粉の量を自分で決められるぶん、たんぱく質と糖質の比率を調整できるのが利点です。市販のゲイナーより1kcalあたりの単価も抑えやすい。

  • ホエイプロテイン1食ぶんに、マルトデキストリンを20〜50g足す
  • 甘さが物足りなければ、はちみつやバナナを一緒にミキサーへ
  • オートミールを加えると腹持ちが変わるので、飲み物としてよりは食事寄りに使える

味の完成度や溶けやすさは市販品のほうが上なので、続けやすさを取るか、コストと調整幅を取るかで選べば大丈夫です。糖質サプリ単体の性質や使いどころはマルトデキストリン(粉飴)とは?、朝食に足す使い方はオートミールと筋トレでそれぞれ扱っています。

よくある質問

飲むだけで太れますか?
飲むだけでは足りないことが多いです。ゲイナー1食で足せるのは400kcal前後で、必要なカロリー不足がそれより大きい人は食事側も増やす必要があります。逆に、あと少しだけ足りない人にはちょうどよい道具です。
トレーニングをしていなくても飲んでいい?
体重は増えますが、増えるぶんの多くは脂肪になります。体を大きくしたいのであれば筋トレとセットが前提です。短期間で体を大きくするにはも参考にしてください。
いつまで続ければいい?
目標体重に届いたら、ふつうのホエイプロテインに切り替える段階です。ずっと飲み続ける前提の製品ではありません。判断の目安はこの記事の「やめどき」の項にまとめています。
寝る前に飲んでも大丈夫?
就寝直前に大量の糖質を入れると、寝つきや翌朝の食欲に影響することがあります。飲むなら就寝の2〜3時間前までに、量は控えめにするのが無難です。

まとめ

  • ウエイトゲイナーは食事に上乗せして使う。置き換えると増量にならない
  • 「ゲイナー」表記でも中身は別物。1食のkcal・たんぱく質・炭水化物を見て役割を判断する
  • 飲みにくいときは規定より薄めて2回に分ける。最初の1週間は半量から
  • 表示量を超えて飲まない。飲む量を増やしても、筋肉がつく速度は上がらない
  • 飲酒後に足すのは避け、健診で異常値が出たら医師の判断を受ける
  • 目標体重に届いたらホエイに切り替える。役割が終わったら卒業していい

食事を減らさず、休みの日も止めず、続けられる濃さで長く飲む。増えたときにやっていたのは結局それだけでした。太れない原因が食事量そのものにある人は、まず1日の摂取カロリーを記録するところから始めるのが確実ですが、記録しても足りないぶんが埋まらないなら、ゲイナーはかなり頼りになります。

ご注意: 乳成分や大豆などのアレルギーがある方は原材料を必ず確認してください。糖質を一度に多く摂るため、血糖値の管理が必要な方や持病のある方は事前に医師にご相談ください。記事内の健康診断の数値は個人の一例で、原因を特定できるものではありません。異常値を指摘された場合は自己判断せず医療機関を受診してください。効果や体重の増え方には個人差があります。

よくある質問(FAQ)

ウエイトゲイナーは食事の代わりに飲んでもいい?
代わりにすると増量になりません。増量は1日の合計カロリーが消費を上回って初めて進むので、食事を1回抜いてゲイナーに置き換えると、足したぶんと減ったぶんが相殺されます。食事はそのままに、間食として上乗せするのが基本の使い方です。
ウエイトゲイナーは1日に何回飲めばいい?
製品の表示量を上限に、まずは1日1回から様子を見るのが安全です。1食で400〜700kcalある製品もあり、いきなり複数回飲むとお腹を壊したり、次の食事が入らなくなったりします。体重の増え方を2週間単位で見て、足りなければ回数ではなく食事側から足していく方が失敗しにくいです。
ドロドロで飲みにくいときはどうすればいい?
規定の水分量より多めにして、2回に分けて飲むと格段に楽になります。粉を先に入れずに水を先に入れてから粉を足す、常温の水を使う、シェイク後に少し置いてから飲む、といった工夫も効きます。
ウエイトゲイナーでどれくらい体重が増えますか?
増え方には大きな個人差があり、飲んだ量と食事の合計カロリーで決まります。この記事の書き手の例では、いつもの食事はそのままに1日1回を続け、5kg袋を3つ飲み終える頃に60kg前後から70kg程度まで増えました。ただしこれは速めのペースで、脂肪も一緒につきやすいので、きれいに増やしたい人は上乗せ幅を小さくするほうが向いています。