プロテインはなぜ値上げ?ザバスは9月から内容量が最大22%減る

2026年7月25日 公開 / 2026年9月22日 更新
右肩上がりの価格グラフとプロテインのパウチ、コインを描いた線画イラスト。上昇の矢印をボルト色で強調

プロテインが年々高くなっている。そう感じている人は多いはずです。2026年に入ってからも各メーカーが相次いで価格改定を発表しました。ただ、今年の値上げは値札を見ているだけでは半分しか分かりません。9月からは価格ではなく内容量のほうが動きます。ザバスの粉末プロテイン14品が11〜22%減り、値札が据え置きでも、たんぱく質1gあたりで払う額は確実に上がります。見抜き方はひとつしかありません。値段を内容量で割り、さらにたんぱく質の含有率を掛けて、1gあたりの単価に直すことです。背景にあるのは主原料ホエイの高騰で、輸入単価はこの5年でおよそ3倍になりました。

結論
  • 値上げの主因は主原料ホエイの高騰。輸入単価はこの5年でおよそ3倍に
  • 2026年9月からは値札ではなく内容量が動く(ザバス粉末14品が11〜22%減)
  • 比べ方はたんぱく質1gあたりの単価ひとつ。容量が変わる年は毎回計算し直す

2026年、実際にどれだけ上がった?

まず事実から。明治は2026年6月1日出荷分より、ザバスの粉末プロテイン17品とプロテインバー4品の計21品について、出荷価格を約6〜28%引き上げると発表しました(明治公式発表・2026年8月20日確認)。理由として「あらゆる原材料の高騰」「製造・流通に関わるコストの上昇」、とくに「たんぱく原料価格の急激な上昇」を挙げています。

値上げは明治だけではありません。VALXは2026年1月と4月に、GronGは3月にホエイ製品を約30%引き上げるなど、複数のメーカーが同様の改定に踏み切っています。

メーカー・時期内容
VALX(2026年1月・4月)一部商品を改定。ホエイ(WPC)は4月にも再改定
GronG(2026年3月3日〜)ホエイ製品を約30%引き上げ
明治 ザバス(2026年6月1日出荷〜)粉末17品・バー4品の計21品を約6〜28%改定
明治 ザバス(2026年9月〜)粉末プロテイン14品の内容量を約11〜22%削減
エクスプロージョン(2026年8月17日)ホエイの半額帯として代替商品を新発売

(改定率・対象は各社の発表による。2026年8月20日確認)

同じブランドが1年のうちに2回も3回も改定している、というのが今年の特徴です。1回で吸収しきれる幅を超えている、ということでもあります。

9月からは、値段ではなく中身が減る

2026年でいちばん見落とされやすいのがここです。明治は6月の値上げから2か月後の7月28日に、今度は「価格改定および内容量変更のお知らせ」を出しました。スポーツ栄養の粉末プロテイン14品について、2026年9月から内容量を約11〜22%減らすという内容です。

値札は動かないか、動いても小幅です。減るのは袋の中身のほうです。

製品変更前変更後減少幅価格が同じなら単価は
ザバス ホエイプロテイン100980g800g約18%約1.22倍
ザバス ホエイプロテイン100(大容量)2,200g1,800g約18%約1.22倍
ザバス アクアホエイプロテイン100800g700g約13%約1.14倍
ザバス アクアホエイプロテイン100(大容量)1,800g1,500g約17%約1.20倍
ザバス ビオプロ ホエイプロテイン100 ヨーグルト風味900g700g約22%約1.29倍
ザバス ジュニアプロテイン ココア味840g700g約17%約1.20倍

出典:株式会社明治「価格改定および内容量変更のお知らせ」(2026年7月28日) 栄養食品17品、スポーツ栄養(スポーツグッズ)5品、スポーツ栄養(粉末プロテイン)14品、アイスクリーム1品の計37品が対象。粉末プロテインは2026年9月から内容量を約11〜22%変更するとされています。理由として「昨今の国際情勢によりあらゆる原材料が高騰」「製造・流通に関わる諸コストが上昇」し、企業努力では「現状価格での販売継続が困難」になったことが挙げられています。6月1日出荷分からの21品・約6〜28%の価格改定と、9月からの内容量変更は別々の発表です(2026年8月20日確認)。

2割減ったら、単価は2割上がるわけではない

表の右端を見て「18%減ったのに単価は22%増?」と思った人がいるかもしれません。ここは間違えやすいところです。

内容量が980gから800gになると、残るのは元の約82%。同じ金額で82%しか買えないので、1gあたりの支払いは 1 ÷ 0.82 = 約1.22倍になります。減った割合と、上がる割合は一致しません。減り幅が大きいほどこのズレは開き、22%減のビオプロでは単価が約1.29倍になります。

もうひとつの落とし穴が、1食分の量は変わらないことです。ザバス ホエイプロテイン100の980gは約35食分と表示されていました。1食あたりの量が同じまま800gになれば、同じ袋が約28食分になります。差は7食ぶんで、毎日1杯飲む人なら1週間ぶんが消える計算です。「最近やけに減りが早い」と感じたら、それは気のせいではなく値上げの実感です。

なぜここまで高いのか(原料高騰の構造)

値上げの根っこにあるのは、プロテインの主原料であるホエイ(乳清)そのものの高騰です。国内メーカーが公開している説明では、ホエイパウダーの輸入平均単価は2021年1月の約746円/kgから、2026年1月には約2,234円/kgへと、5年でおよそ3倍に上がったとされます。

出典:GronG(グロング)「ホエイプロテインの値上げが止まらない」(2026年3月21日) 同社は自社の30%値上げにあわせて理由を公開し、輸入平均単価が2021年1月 約746円/kg → 2025年1月 約1,888円/kg → 2026年1月 約2,234円/kg と推移したこと、2025年に仕入先から「販売できるホエイ原料が残っていない」と伝えられたことを記事で説明しています。背景として、アメリカでのGLP-1(痩せ薬)の普及にともなう需要増を挙げています(2026年8月20日確認)。

需要側の話は日本の中だけでは完結しません。GLP-1を使う人は筋肉を落とさないためにたんぱく質を多く摂るよう勧められることが多く、その分がまるごとホエイの需要に乗ってきます。アメリカのホエイ在庫は2023年と比べて大きく減ったと報じられており、原料の取り合いが起きている状態です。

理由を整理すると、次の3つが重なっています。

  • 世界的な需要増で、限られたホエイの取り合いが起きています。とくにGLP-1の広がりが2025年以降の押し上げ要因として繰り返し挙げられます
  • ホエイの多くは輸入に頼るため、円安はそのまま仕入れ値を押し上げます
  • 物流・エネルギー・包装材のコストも上昇し、作って運ぶまでの費用が全体的に上がっています

「原料そのものが高い」「輸入コストも高い」「物流も高い」という三重苦が重なり、メーカーが値上げせざるを得ない構造になっています。しかも今回は需要側の要因が薬の普及という長期のトレンドなので、短期で解ける性質のものではありません。

実際の売り場でも、18日で動いている

原料の話は遠く感じますが、店頭の値札には想像より速く反映されます。当サイトが記事に載せている商品の楽天での販売価格を、2026年8月2日と8月20日の2時点で比べたところ、主要なホエイが軒並み上がっていました。

商品8月2日8月20日
ゴールドスタンダード 2.27kg7,480円15,980円
ザバス ホエイプロテイン100 980g3,880円6,687円
エクスプロージョン ホエイ 3kg8,999円13,790円
ザバス ソイプロテイン1003,280円5,087円
※いずれも当サイトが掲載している楽天の同一商品ページで、2時点の販売価格を比較したものです。店舗ごとの在庫状況やセールで動くため、相場そのものを示す数字ではありません。

18日でこの動き方は、通常の値付けというより、仕入れ値の上昇が一気に転嫁された局面に見えます。ホエイが原料ではないソイまで上がっているのは、乳製品全体の相場が動いているためです。

ここまで来ると、メーカー側も「ホエイを安く売る」ことをあきらめ始めます。エクスプロージョンは2026年8月17日に、ミセルカゼインとスキムミルクを組み合わせた代替品を3kg 6,999円で発売しました。同社の標準的なホエイ3kgが発表時点で12,990円なので、おおよそ半額です。

出典:エクスプロージョン合同会社 ニュースリリース(2026年8月19日) ホエイパウダー価格の高騰を背景に、ミセルカゼインアイソレートとスキムミルクを組み合わせた新製品「ミセルミックスプロテイン(MXP)」3kgを6,999円で2026年8月17日に発売したと発表しています。資料では、ホエイパウダーの価格が「構造的な上昇局面」に入っており、「かつて経験したことのない市場の逼迫」が起きていると説明されています(2026年8月20日確認)。

メーカーが半額帯の別カテゴリを用意し始めた、というのが2026年夏の現在地です。

「安いプロテイン=質が悪い」ではない

値上げが続くと、つい「とにかく安いもの」か「高いほど良い」の両極端で考えがちです。でも本当に見るべきは価格そのものより、たんぱく質1gあたりいくらかという視点です。

  • 同じ容量でもたんぱく質の含有率が違えば、実質の単価は変わる
  • 大袋(大容量)は1食あたりが割安になりやすい。ただし開封後の湿気・ダニ対策は必須(保存は「プロテインの正しい保存方法」)
  • フレーバーやブランドの印象より、まず1g単価で並べて比べる

「安い=手抜き」ではありません。原料や製法の違いはあっても、しっかりたんぱく質が摂れてコスパの良い製品は数多くあります。

質を落とさず、安く続ける5つの対策

値上げ時代でも、工夫すればプロテイン代は抑えられます。

対策ねらい
買う前に容量を確認する前回と同じ商品でも中身が減っている可能性がある
たんぱく質1g単価で計算し直す見かけの安さに惑わされない(現在の単価一覧
セール+クーポンで買う実売価格を下げる(マイプロを安く買う方法
ソイやスキムミルクも候補に入れる上げ幅はソイも同じくらいだが、たんぱく質1gあたりの絶対額が低い(ソイの選び方
食事のたんぱく質も活用プロテイン依存を減らす(高たんぱく食品

今年に限っては、いちばん上の「容量を確認する」が効きます。値札は記憶に残りますが、グラム数は誰も覚えていません。前と同じ棚の同じパッケージなら同じ量だと思ってしまうので、値上げとしていちばん気づかれにくい形です。

大容量でまとめ買いする作戦も、以前ほど無条件には効かなくなりました。3kgの袋が1万円を超えると、単価は下がっても一度に出ていく金額が大きく、飲みきれなかったときの損も大きくなります。単価が安いのは、飲みきれた場合の話です。

現実的な逃げ道になっているのが、ホエイ以外の選択肢です。3kgクラスで売られているスキムミルクプロテイン(SMP)は、たんぱく質の含有率こそ低いものの、たんぱく質1gあたりで見るといまホエイより安く付きます。安さを作っているのは容量のほうで、原料が脱脂粉乳だから安くなるわけではありません。中身の違いと向き不向きは「スキムミルクプロテインって?」にまとめました。この記事が値上げそのものの解説なのに対し、あちらはホエイ以外のカテゴリを選ぶかどうかを判断するための記事です。

いま各製品がたんぱく質1gあたりいくらになっているかは「ホエイプロテインのコスパ比較」で並べています。あちらが現時点の単価を製品ごとに出す側、この記事がなぜその数字になったのかを説明する側です。

今後、価格は下がる?

先の見通しは慎重に見ておくのが賢明です。ホエイの国際相場や為替が落ち着けば緩む可能性はありますが、需要側の主役であるGLP-1の普及は薬の話なので、景気で急に消えるものではありません。原料の供給を増やすにも設備の増強に時間がかかります。2026年時点ではすぐに大きく下がる兆しは見えにくい状況です。

そのうえ、いったん減らした内容量が元に戻ることは、経験上あまりありません。価格は相場が緩めば下がる余地がありますが、容量はそのままになりがちです。値下がりを待つより、単価で比べる習慣をつけるほうが現実的だといえます。

メーカー側が出してきた半額帯の答えを、1商品として買うかどうかまで踏み込んで見たい人は「ミセルミックスプロテイン(MXP)はホエイの代わりになるか」へ。値上げの全体像はこの記事、その局面で出た製品の購入判断はあちら、という役割分担です。

ホエイそのものから離れる動きも出ています。ビーレジェンドが国産脱脂粉乳100%で出した「第三のプロテイン」は、値札だけを見れば確かに安いのに、たんぱく質1gあたりに直すと逆に高くつきました。値上げ局面で増える「安く見える粉」をどう値踏みするかの実例として、「NONFAT MILK PROTEIN は安いのか」も読んでみてください。

まとめ

  • 2026年はVALX・GronG・明治が相次いで改定。同じブランドが年に複数回上げている
  • 明治は6月に21品を約6〜28%、さらに9月から粉末14品の内容量を11〜22%削減
  • 18%減れば単価は約1.22倍。減った割合と上がる割合は一致しない
  • 主因はホエイ原料の高騰(5年で約3倍)。GLP-1の普及による需要増が背景にある
  • 対策の一番手は買う前にグラム数を見ること。そのうえで1g単価で比べる

次に買うときの手順は、1つ増やすだけで足ります。カートに入れる前に袋のグラム数と値段を電卓へ打ち込んで1gあたりを出し、前回買った袋の数字と並べてください。同じ商品名でも中身が980gから800gに変わっていれば、値札が据え置きでも支払いは約1.22倍です。1食ぶんの量は変わらないので、35食が28食に減ったぶん、買い足す回数のほうも増えます。

1gあたりで並べ替えたあと、どの種類に落とすかで迷うなら「プロテインの選び方」から、最初の1袋を決めるときの判断のつけ方がたどれます。

ご注意: 価格・改定率・対象商品は各メーカーの発表によるもので、時期や販売店により異なり、今後も変動します。値上げと内容量変更の実施内容は明治の公式発表を、原料価格の動向は各メーカーの公表資料および各種報道を2026年8月20日に確認したものです。当サイトの販売価格の比較は特定の商品ページを2時点で見たもので、相場全体を示すものではありません。購入前に各公式サイト・販売店で最新の価格を必ずご確認ください。

よくある質問(FAQ)

プロテインはなぜ値上げしているのですか?
主原料のホエイ(乳清)の国際価格が高騰していることが最大の要因です。ホエイの輸入単価はこの5年でおよそ3倍になったとされ、さらに円安や物流コストの上昇が重なっています。明治は2026年6月出荷分からザバス21品を約6〜28%値上げし、さらに9月からは粉末プロテイン14品の内容量を約11〜22%減らします(2026年8月20日確認)。
ザバスの内容量が減るというのは本当ですか?
本当です。明治は2026年7月28日に「価格改定および内容量変更のお知らせ」を公表し、スポーツ栄養(粉末プロテイン)14品について2026年9月から内容量を約11〜22%減らすと発表しました。ザバス ホエイプロテイン100は980gが800gに、2,200gが1,800gになります。価格が据え置かれる場合、たんぱく質1gあたりの単価はおよそ1.2倍になります。
プロテインの価格は今後下がりますか?
待つ側に回るのはおすすめしません。ホエイパウダーの輸入平均単価は2021年1月の約746円/kgから2026年1月には約2,234円/kgへ動いており、需要を押し上げているGLP-1は薬の普及なので景気で急に消えるものではありません。さらに、いったん減らした内容量が元に戻った例はほとんどなく、価格は相場が緩めば下がる余地があっても、容量は戻らないまま残ります。
値上げのなかで安く続けるにはどうすればいいですか?
セールとクーポンの活用、たんぱく質1gあたりの単価での比較、ソイやスキムミルクといった割安な選択肢、大容量のまとめ買い(保存に注意)などが有効です。とくに2026年は内容量そのものが変わるので、前回と同じ商品でもパッケージのグラム数を見て単価を計算し直してください。
安いプロテインは質が悪いのですか?
値札と単価は別の話です。同じ商品でも980gが800gになれば、値札が据え置きでも支払いは約1.22倍、22%減った製品なら約1.29倍になります。逆に、含有率の低い脱脂粉乳ベースでも1gあたりではホエイより安く付くことがありますし、安く見えて1gあたりでは高くつく粉もあります。値段を内容量で割り、たんぱく質の含有率を掛けた1gあたりの単価だけで判断してください。