パワーリフティングとは?スクワット・ベンチ・デッドの合計で競う|大会の階級・判定・初出場の流れ

2026年7月21日 公開 / 2026年10月8日 更新
バーベルをデッドリフトで持ち上げるリフターと、3つの白ランプ判定を表す線画イラスト

パワーリフティングは、スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの3種目で、どれだけ重いバーベルを挙げられるかを競う競技です。各種目3回ずつ試して、成功した最高重量を足した合計(トータル)で順位が決まります。成功かどうかは3人の審判の多数決で、白いランプが2つ以上つけば成功です。

ボディビルやフィジークのような見た目の審査はなく、数字だけで勝負が付きます。体重別に男女8つずつの階級があり、年齢の区分もあるので、近い体格・近い年代の人と比べられます。ベルトやリストラップを持っていなくても出場はでき、必須なのはシングレット(競技用のつなぎ)とTシャツと靴くらいです。ほかの筋力系の競技と見比べて選びたい人は、「筋力系の競技5種と選び方」に、1種目で出られるか、相手と戦うのか記録と戦うのかという軸で5競技を並べてあります。

3種目×3回の試技のうち、各種目で成功した最高重量の合計で競う。合計が同じなら体重の軽い人が上位。

判定は3人の多数決。スクワットは太ももの付け根の上面が膝の上面より下まで。平行で止めると失敗。

階級は検量の体重だけで決まる。身長の区分はない。一般の部は男子59kg級〜120kg超級、女子47kg級〜84kg超級。

3回とも失敗した種目が1つでもあると失格。初出場は第1試技を確実に挙がる重さにする。

パワーリフティングとは|BIG3の合計を「数字」で競う競技

種目そのものは、ジムで「BIG3」と呼ばれるスクワット・ベンチプレス・デッドリフトです(フォームの基本は「筋トレの基本BIG3」)。大会では必ずこの順番で行い、日本パワーリフティング協会(JPA)の国内ルールブックでは、各種目で有効だった試技のベスト記録の合計がトータルになると決められています。

自分の成長がはっきり数字で見えるのが、この競技の魅力です。「先月より合計10kg伸びた」という変化が、そのまま結果になります。順位の決まり方は次の3つです。

  • 階級ごとに、合計の多い人から順位が付く
  • 合計が同じなら検量の体重が軽い人が上位。体重も同じなら、先にその合計を出した人が上位
  • 階級をまたいだベストリフター(最優秀選手)は、体重に対してどれだけ挙げたかを比べる「IPFポイント」で決まる

名前の似たウエイトリフティング(重量挙げ)は、床のバーベルを一気に頭上まで運ぶスナッチとクリーン&ジャークの2種目で競う別の競技です。パワーリフティングはゆっくりでも規定どおり挙げきれば成功になる点が違います。種目と階級の違いは「ウエイトリフティングとは?」で比べています。

判定は3人の審判の多数決|種目ごとの成功条件と合図

試技は、主審(チーフレフリー)1人と副審2人の計3人が判定します。バーを戻したあとに3人が同時にランプをつけ、白が成功、赤が失敗。3人の多数決で決まるので、白が2つなら赤が1つあっても成功です。

ジムで挙げるときと最も違うのは、主審の「合図」があることです。合図より早く動いても、合図を待たずにバーを戻しても失敗になります。種目ごとの合図と成功の条件を、JPAの国内ルールブックとIPF(国際パワーリフティング連盟)のテクニカルルールブックから整理しました。

種目始めの合図成功の条件(要点)終わりの合図
スクワット「スクワット」(手を振り下ろす)太ももの付け根の上面が膝の上面より下までしゃがみ、膝を伸ばして静止「ラック」
ベンチプレス「スタート」。胸で静止したら「プレス」胸か腹まで下ろして静止し、両肘が肩の高さ以下まで下がっている。尻・肩・頭はベンチにつけたまま「ラック」
デッドリフト合図なし(自分のタイミングで引く)膝が伸び、肩が後ろに返った直立で静止。下ろすときも両手でコントロールする「ダウン」

スクワットは「平行」では足りない。膝の上面より下までしゃがむ

スクワット
スクワットのフォームと、主に効く部位(太もも・お尻・太もも裏)を示した図
効く部位 太ももお尻太もも裏

ルールブックの文言は「ヒップジョイント部の大腿部上面が、膝の上面より低くなるまでしゃがむ」です。JPAの国内ルールブックは失敗の例として「しゃがみが平行以上で浅いこと。平行は失敗となる」と書いていて、太ももが床と平行になったところで切り返すと赤ランプがつきます。ジムで「パラレルまで」と教わってきた人ほど、ここでつまずきます。

ほかにも、しゃがんで立ち上がる動作を繰り返す(ダブルバウンス)、立ち上がる途中でバーが下がる、試技中に足が前後左右にずれる、の3つが失敗になります。合図の前にしゃがみ始めるのも失敗です。フォームの土台は「スクワットのやり方」にありますが、そちらは体づくりのための目安として「太ももが床と平行になるくらいまで」と書いています。大会に出るなら、そこからもう一段深くしゃがんで立ち上がる練習が要ります。

ベンチプレスは胸で止めてから「プレス」。肘は肩の高さ以下まで下げる

ベンチプレス
ベンチプレスのフォームと、主に効く部位(胸(大胸筋)・肩の前・二の腕(上腕三頭筋))を示した図
効く部位 胸(大胸筋)肩の前二の腕(上腕三頭筋)

ラックからバーを外し、肘を伸ばして待つと「スタート」の合図が出ます。胸か腹まで下ろして一度止め、「プレス」の合図で押し上げ、肘が伸びきって止まったら「ラック」です。胸の上でバーを弾ませたり、合図の後にバーが胸に沈んだりすると失敗になります。

現行のルールには、もう1つ条件があります。バーが胸まで下りたときに、両肘の下側が肩の上面と同じ高さか、それより下まで来ていなければいけません。背中のアーチを大きく組んで胸の位置が高くなると、肘が肩の高さまで下がりきらず、ここで赤ランプになることがあります。手幅は人差し指の間で81cmまで、親指を巻かないサムレスグリップも禁止です。合図に慣れていない人は、ベンチ1種目だけで出られる「ベンチプレスの大会」で一度経験しておく手もあります。押し方の基本は「ベンチプレスのやり方」にあります。

デッドリフトは合図なしで引き、下ろすときも手を離さない

デッドリフト
デッドリフトのフォームと、主に効く部位(背中・お尻・太もも裏)を示した図
効く部位 背中お尻太もも裏

3種目のうち、デッドリフトだけは始めの合図がありません。リフターが自分のタイミングで引き始め、バーが床から少しでも浮けば1回の試技として数えられます。膝が伸び、肩が後ろに返った直立で止まると「ダウン」の合図が出ます。引き上げる途中でバーを太ももに乗せて休ませる動きは失敗です。

国内の大会で気をつけたいのは、下ろし方です。JPAは、「ダウン」の後にバーを両手でコントロールせず落とした試技を、日本国内独自のルールとして失敗にしています。協会の技術委員会は判定の基準になるビデオまで作っていて、力が抜けてバーが急に落ちたものは、手を添えていても国内では失敗として扱うと書いています。ジムで最後に手を離して落としている人は、下ろすところまで練習に入れておきます。引き方と、床に落とさず置く下ろし方は「デッドリフトのやり方」にまとめてあります。

赤ランプの理由は3色のカードで示される

全国大会では、赤ランプがついた理由を審判がカードで示します。JPAの国内ルールブックでは色ごとに理由が決まっていて、自分の試技に上がったカードの色を見れば、何を直せばいいかが分かります。

カードスクワットベンチプレスデッドリフト
1番(赤)しゃがみが浅い(平行も含む)胸・腹に届かない、肘が肩の高さまで下がらない膝が伸びていない、肩が返っていない
2番(青)開始・完了時に膝が伸びていない、立ち上がり中にバーが下がる押し上げ中にバーが下がる、肘が伸びきらない引き上げ中にバーが下がる、太ももに乗せて支えた
3番(黄)足がずれた、合図を無視した頭・肩・尻が浮いた、合図を無視した、胸で弾ませた合図の前に下ろした、両手でコントロールせずに下ろした

県大会などの地方大会では、カードを使わずランプだけで判定することもあります。

階級は男女8つずつ|身長ではなく検量の体重で決まる

「身長164cmなら何kg級に出ればいいのか」と考える人がいますが、パワーリフティングの階級に身長の区分はありません。大会当日の検量で量った体重がどの範囲に入るかだけで決まります。JPAの国内ルールとIPFのルールは、同じ区切りを使っています。

男子の階級体重の範囲女子の階級体重の範囲
59kg級59.00kgまで47kg級47.00kgまで
66kg級59.01〜66.00kg52kg級47.01〜52.00kg
74kg級66.01〜74.00kg57kg級52.01〜57.00kg
83kg級74.01〜83.00kg63kg級57.01〜63.00kg
93kg級83.01〜93.00kg69kg級63.01〜69.00kg
105kg級93.01〜105.00kg76kg級69.01〜76.00kg
120kg級105.01〜120.00kg84kg級76.01〜84.00kg
120kg超級120.01kg以上84kg超級84.01kg以上

サブジュニアとジュニアだけは、男子53kg級(53.00kgまで)と女子43kg級(43.00kgまで)が加わって9階級になります。

たとえば身長164cmでも、体重70kgの男性なら74kg級、64kgなら66kg級です。初めての大会なら、今の体重がそのまま入る階級に申し込むのが無難です。検量の受付は大会の朝の最大1時間半で、その間に申し込んだ階級の範囲に収まらなければ、全国大会とブロック大会では失格です。県大会などの地方大会でも、そのまま出場できるかは主管の協会の判断で、出られたとしてもその記録は公認されません。慣れない検量と最初の試技を、減量の疲れと一緒に迎える理由はありません。

年齢の区分は「その年に何歳になるか」で決まる

階級とは別に、年齢でも区分されます。JPAの区分は次のとおりです。一般は満14歳以上なら出られ、一般以外の区分は誕生日ではなく、その年の12月31日までに何歳になるか(カレンダーイヤー)で数えます。

区分年齢
サブジュニア14〜18歳
ジュニア19〜23歳
一般(シニア)満14歳以上。国際大会の選考と出場は19歳以上
マスターズⅠ〜Ⅳ40〜49歳/50〜59歳/60〜69歳/70〜79歳
マスターズⅤ80歳以上(国内だけの区分。国際大会ではⅣに含まれる)

ルールブックの例では、8月1日に24歳になる人は、その年の1月1日から大会当日が23歳でもジュニアには入りません。反対に、年内に40歳になる39歳はマスターズⅠとして出られます。IPFの一般(Open)は19歳になる年からですが、JPAの国内大会の一般は満14歳以上と、国内ルールのほうが範囲が広くなっています。

初心者が出るのはクラシック|必須の服装と、なくてもよい道具

パワーリフティングには、使える用具で分かれる2つの部門があります。生地の反発で挙上を補助するスーパースーツやベンチシャツを着るエクイップ(フルギア)と、それを着ないクラシック(ノーギア)です。ジムで普段どおりの格好で挙げている人が最初に出るのはクラシックで、2つの部門は記録も全国大会も別に扱われます(部門ごとの違いは「日本パワーリフティング協会(JPA)とは?」に表があります)。

クラシックで必須の服装と、任意の道具をJPAの国内ルールブックから並べました。

用具必須か任意か国内ルールの規格
シングレット必須全国・ブロック大会以外の地方大会は、スパッツを認めるかを主管協会が決める
Tシャツ必須(3種目とも)コンプレッションシャツ、タンクトップ、Vネックは不可
靴必須かかとの高さ5cm以内。五本指シューズやトレッキングシューズは不可
膝下までの靴下デッドリフトで必須ほかの2種目は任意
ベルト任意幅10cm以内・厚さ13mm以内。国内は規格内なら使える
リストラップ任意幅8cm・長さ1m以内
ニースリーブ任意長さ30cm以内・厚さ7mm以内

ベルト、リストラップ、ニースリーブが無くても出場はできます。なお、リストラップとニースリーブは、全国大会とブロック大会ではIPFの公認品しか使えません。県大会などでは規格内なら主管協会の判断で使えることがあるので、出る大会の要項で確かめてから買うほうが無駄がありません。ベルトの役割と巻き方は「トレーニングベルトの選び方」、膝の用具の厚みの選び方は「膝サポーター(ニースリーブ)の選び方」に書いてあります。

出場するには|選手登録をして、県大会や記録会の要項を探す

JPAの公認大会に出るまでは、大きく2ステップです。

  • 先にJPAに選手登録する。登録先は住まいや勤務先、通うジムのある都道府県の協会で、年度ごとに登録費がかかる
  • 次に、公認大会や記録会の要項を見て、出たい大会に申し込む

登録区分ごとの金額(個人9,000円など)と、全日本に出るには階級ごとの標準記録が要ることは、「日本パワーリフティング協会(JPA)とは?」に、2026年度の全国大会の日程とあわせてまとめてあります。

最初の1本は、いきなり全国大会ではなく、地方の県大会や記録会が向いています。JPAの公認大会は選手登録をしていることが前提です。公認でない記録会や練習会は、参加料や申込締切、未登録でも出られるかどうかまで含めて要項次第で、共通の数字はありません。要項に書かれた申込締切を過ぎて申し込むと、JPAのルールではオープン参加の扱いになり、順位の表彰から外れます。出られなくなったときは、検量が始まる前までに主管の協会へ連絡するのが決まりです。

公認大会はアンチ・ドーピングの対象になり、全国大会では抜き打ちの検査もあります。市販のサプリメントに表示されていない禁止物質が混ざっていて陽性になる例もあるので、選ぶときに見るところは「「うっかりドーピング」を防ぐプロテインの選び方」で確認できます。

当日の流れ|10時開始なら検量は8時から9時30分まで

大会当日の時間の使い方は、ルールでかなり細かく決まっています。JPAの国内ルールブックが例に挙げている「競技開始が10時」の場合で並べると、次のようになります。

時刻(10時開始の例)やることルール上の決まり
8:00検量が始まる。3種目の第1試技の重量を申請する検量は競技開始の2時間前より早く始めない
9:30検量の締切。衣装のチェックとラック高の申請もここまでに済ませる検量は1時間半。衣装とラックの申請は試技開始の30分前に完了
9:30〜10:00ウォームアップ決まりはない。第1試技の重さまで段階的に上げておく
10:00スクワットの第1〜第3ラウンド各ラウンドとも軽い重量を申請した人から順に挙げる
種目の間休憩10分が推奨。1グループだけの大会は20分
その後ベンチプレス、デッドリフトを同じ進め方で全種目が終わったら表彰

ラック高は、スクワットとベンチプレスでバーを置く台の高さのことです。補助員が試技票と違う高さにセットしていた場合は、時計を戻して直してもらえますが、自分の申請ミスで直す場合は、持ち時間の1分の中でやることになります。普段のジムでラックの穴が何番目かを数えておくと、当日迷いません。

試技の最中にも、時間の決まりが3つあります。

  • 名前を呼ばれてから1分以内に試技を始める(スクワットとベンチは主審の合図、デッドリフトは引き始めた時点まで)。1分を過ぎると失敗になる
  • 判定が出てから1分以内に、次の試技の重量を申請する
  • 試技が終わったら30秒以内にプラットフォームの外へ出る

慣れないうちは、この流れ自体に緊張するものです。経験者や所属ジムの仲間に一度付き添ってもらうと、重量の申請や呼び出しのタイミングが一気に分かります。

重量の申請ルール|第1試技は1回だけ変えられ、第2試技は変えられない

どの重さで挑むかは、自分で申請して決めます。決まりを知らないまま当日を迎えると、思わぬところで選択肢がなくなります。

試技いつ申請するかあとから変えられるか
第1試技検量のときに3種目ぶん各種目1回だけ。その種目が始まる3分前まで(2組目以降は前の組の残り3試技まで)
第2試技第1試技の判定から1分以内変えられない
第3試技第2試技の判定から1分以内スクワットとベンチは変えられない。デッドリフトだけ2回まで変えられる
1分以内に申請しなかったとき自動で決まる成功していれば2.5kg増し、失敗していれば同じ重量

重量はいつも2.5kg刻みで、国内の大会では20kgから申請できます。同じラウンドの中ではバーの重量が下がっていくことはなく、軽い重量の人から順に挙げていきます。失敗した人がすぐに同じ重量をやり直すことはできず、次のラウンドで改めて挑みます。

第1試技の変更が1回だけ認められているのは、ウォームアップで思ったより重く感じた、あるいは軽く感じた、というときのためです。IPFのルールブックでは、この変更は上げる方向にも下げる方向にもできると書かれています。ウォームアップの最後のセットで重く感じたら、締切までに1回だけ下げられるということです。

初出場で多い失敗は「記録なし」|3回とも失敗した種目は失格になる

JPAの国内ルールでは、ある種目で3回とも失敗すると、その時点で失格です。最後の種目まで試技を続けることはできますが、トータルでの表彰の対象にはなりません。合計で競う競技なので、得意種目でどれだけ挙げても、1種目でも記録が残らなければ順位が付かないということです。これを避けるために、重量の決め方には定番の考え方があります。

  • 第1試技は、普段の練習で調子が悪い日でも挙がる重さにする。ここで1本残しておけば、その種目の記録は確保できる
  • 第2試技は自己ベストの少し手前、第3試技で自己ベストに挑む。前の試技が成功していれば、次は2.5kg以上重くなる
  • 判定の基準に合わせて練習する。スクワットは平行より深く、ベンチは胸で止めて合図を待ち、デッドリフトは最後まで両手で下ろす

ジムでは挙がる重さでも、本番は合図を待つぶん、静止の時間が長くなります。日々の重量管理には、余力の感覚で重さを決める「RPE・RIR」と、挙げた重さと回数から最大重量の目安を出す「1RM計算ツール」が使えます。本番は「最大の1回」を出す場なので、漸進性過負荷で少しずつ伸ばしてきた重さが、そのまま第3試技の候補になります。

まとめ

  • パワーリフティングはスクワット・ベンチプレス・デッドリフトの合計で競う。各種目3回、成功した最高重量を足す
  • 判定は3人の多数決。スクワットは平行より深く、ベンチは胸で止めて肘が肩の高さまで、デッドリフトは下ろすときも両手で
  • 階級は検量の体重だけで決まる。一般の部は男女8階級。初出場は今の体重のままの階級が無難
  • 必須はシングレット・Tシャツ・靴(デッドリフトは膝下の靴下も)。ベルトやラップは無くても出られる
  • 3回とも失敗した種目があると失格。第1試技は確実に挙がる重さにする

最初の一歩は、ジムで3種目を「判定の基準どおり」に挙げてみることです。スクワットを平行より深くしゃがみ、ベンチを胸で1秒止め、デッドリフトを最後まで両手で下ろしたときの重さが、本番の第1試技の目安になります。そのうえで、登録先になる都道府県協会のサイトで、今年度に残っている県大会や記録会を探します。3種目はハードルが高いと感じるなら、合図と判定の流れを1種目で経験できる「ベンチプレスの大会」に、尻上げ禁止や静止のルールと初挑戦のコツがまとめてあります。

出典:JPA国内ルールブック(表紙は2026年4月14日現在、更新履歴の最終は6月22日)、IPF Technical Rulebook(2026年3月1日発効 v3)(2026年10月8日確認) 公益社団法人日本パワーリフティング協会「ルール及び通達」/International Powerlifting Federation「Technical Rules」

ご注意: ルール・階級・服装の規格は2026年10月8日時点のJPA国内ルールブックとIPFテクニカルルールブックの記載です。ルールブックは年に何度も改訂されていて、地方大会ではスパッツや用具の扱いを主管の協会が決めることがあります。申し込む前に、出る大会の要項と最新のルールブックを確認してください。高重量の挙上にはケガのリスクがあります。判定の基準どおりの深さや静止は、軽い重量で動きを固めてから重さを上げ、持病のある人や体に不安がある人は、大会に申し込む前に医師に相談してください。

よくある質問(FAQ)

パワーリフティングとはどんな競技ですか?
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトをこの順に3回ずつ試し、各種目で成功した最高重量を足した合計(トータル)で順位を決める競技です。判定は3人の審判の多数決で、白ランプが成功、赤ランプが失敗。合計が同じなら検量の体重が軽い人が上位になります。床から頭上へ素早く挙げるウエイトリフティングとは別の競技で、パワーリフティングはゆっくりでも規定どおり挙げきれば成功です。
パワーリフティングの階級は身長で決まりますか?164cmならどの階級ですか?
身長の区分はありません。階級は大会当日の検量で量った体重だけで決まり、JPAとIPFの一般の部は男子59kg級から120kg超級、女子47kg級から84kg超級の各8階級です。164cmで体重70kgの男性なら66.01〜74.00kgの74kg級、体重60kgの女性なら57.01〜63.00kgの63kg級に入ります。同じ身長でも体重が違えば階級は変わるので、まず今の体重がどの範囲に入るかを見ます。
パワーリフティングの大会に初心者が出るには何が必要ですか?
JPAの公認大会は選手登録が前提で、まず日本パワーリフティング協会(JPA)に登録します(個人は年9,000円)。公認でない記録会などは、未登録で出られるかも含めて要項次第です。服装はシングレットとTシャツと靴が必須で、デッドリフトでは膝下までの靴下も要ります。ベルト、リストラップ、ニースリーブは任意なので、持っていなくても出場できます。県大会などの地方大会では、シングレットの代わりにスパッツを認めるかどうかを主管の協会が決めるので、要項で確かめます。
パワーリフティングの大会で3回とも失敗するとどうなりますか?
JPAのルールでは失格です。残りの種目も挙げることはできますが、合計が付かないので順位は付きません。防ぐ手は第1試技の重さにあります。第1試技は検量のときに3種目ぶん申請し、ウォームアップで重く感じたら、締切(その種目の開始3分前など)までに1回だけ下げられます。調子の悪い日でも挙がる重さで1本残しておけば、そこから2.5kg刻みで上を狙えます。