キーオン・ピアソンとは?212オリンピア4連覇の王者|身長167cm・大会時94〜95kg、クラシックから移った理由

2026年9月26日 公開 / 2026年10月1日 更新
規定ポーズのバックダブルバイセップスをとる小柄で筋肉の詰まったボディビル選手の後ろ姿と、広背筋をライム色で示し、隣に背の高い選手が並ぶイラスト

キーオン・ピアソン(Keone Pearson)は、体重212ポンド(約96.2kg)以下で争うボディビルの212ポンドクラスで、2023年から2026年までミスター・オリンピアを4連覇しているアメリカの選手です。身長は約167cm。もともとはクラシックフィジークの選手で、その部門の体重上限に合わせて筋肉を削る苦しさから、2019年に212へ移りました。2026年は横川尚隆選手が初めて挑んだ212のステージで、2位ルーカス・ガルシア、3位ショーン・クラリダを抑えて4連覇を果たしました。日本で急に名前が検索されるようになったのは、7位に入った横川選手と同じステージに立った王者だからです。

名前の書き方は日本語ではまだ定まっておらず、「ケオン」「キオン」「キーオン」と揺れています。検索で実際に打たれているのは「キーオン・ピアソン」なので、この記事もその表記で書きます。同じ人です。

  • 212ポンドクラスのオリンピア王者。2023年にショーン・クラリダから王座を奪い、2024年・2025年・2026年と防衛して4連覇
  • 身長約167cm、大会時は94〜95kg前後。212の上限96.2kgに、ほぼ隙間なく筋肉を積んでいる
  • クラシックフィジーク時代は上限180ポンド(約81.6kg)に体を削っていた。212へ移って使える重さが約14.5kg増えた
  • 2026年は現地9月25日の決勝で優勝して4連覇。2位はルーカス・ガルシア、3位はクラリダ。横川尚隆選手は20人中7位だった

2026年大会の日程・日本時間への換算・どの部門が何曜日に動くかはミスター・オリンピア2026の結果と日程にまとめてあります。あちらが大会全体の日程と結果、こちらは王者本人の経歴と体の中身を扱う人物の記事、という分担です。

プロフィール早見表|ジョージア州出身、身長約167cm、大会時94〜95kg

まず本人の基本情報です。海外の主要なプロフィール媒体2つ(Fitness Volt、Generation Iron)を突き合わせ、食い違っている項目はそのまま両方の数字を載せました(2026年9月26日確認)。

項目内容補足
名前キーオン・ピアソン(Keone Pearson)日本語では「ケオン」「キオン」とも書かれる
生年月日1995年2月23日2026年9月時点で31歳
出身米国ジョージア州ウォーナーロビンズ両媒体で一致
身長5フィート6インチ(約167cm)両媒体で一致
大会時体重207〜210ポンド(約94〜95kg)Generation Iron は207、Fitness Volt は210
オフシーズン体重205〜210ポンドGeneration Iron の記載
部門212ポンドクラス(2019年まではクラシックフィジーク)移籍の理由は次の章

目を引くのは最後の2行です。Generation Iron の記載どおりなら、大会時とオフシーズンの体重がほとんど変わらず、ピアソンは212の上限の数kg下を1年を通してほぼ保っていることになります。オフに増やした体重を仕上げで落とす幅が小さいぶん、そこで一緒に削れる筋肉も少なくて済むのではないか、というのがこの数字からの推測です。本人の減量の中身まではどちらの媒体にも書かれていません。

大会時体重が媒体で3ポンド違う理由は、どちらの媒体にも書かれておらず確認できませんでした。どちらの数字を取っても、上限まで2〜5ポンドしか残していない点は変わりません。

クラシックフィジークから212へ|上限180ポンドに体を削っていた

ピアソンの競技歴は、今の部門とは別の場所から始まっています。

年大会結果部門
2016年NPC Lee Haney Games優勝最初の大会
2017年NPC Junior USA Championships優勝、IFBBプロカード取得(22歳)クラシックフィジーク
2018年IFBB Tampa Pro2位クラシックフィジーク
2019年IFBB New York Pro優勝クラシックフィジーク
2019年ミスター・オリンピア4位クラシックフィジーク
2020年IFBB Chicago Pro優勝212(移籍後の初優勝)

最初のステージに立った翌年にはもうプロカードを手にしています。「プロ」といっても、プロ興行に出る資格を得たという意味で、そこから上には予選を勝ち上がる道が続いています。プロカードが何を意味して、どうやって取るのかはIFBBプロになるには?プロカードの取り方で、アマチュアのNPCとプロリーグの関係から順に書いてあります。

プロ3年目の2019年、ピアソンはクラシックフィジークでオリンピア4位に入りました。頂点まであと少しの位置です。それでも彼はこの年に212へ移ります。Generation Iron は理由を、身長5フィート6インチのクラシックの上限180ポンドに収めるために「筋肉を削らなければならなかった」からだと伝えています。Fitness Volt の表現は「自分の体の可能性を出し切るため」です。

数字にすると、移籍の意味がはっきりします。

部門身長約167cmでの上限キロに直すと
クラシックフィジーク180ポンド(Generation Iron の記載)約81.6kg
212ポンドクラス212ポンド(身長を問わず一律)約96.2kg
差32ポンド約14.5kg

同じ身長のまま、使ってよい重さが約14.5kg増えたことになります。身長ごとに上限体重が決まっている部門の仕組みそのものはクラシックフィジークとは?身長別の体重制限が詳しく、そこから先は、自分の体がどちらの枠に向いているかの判断材料になります。ピアソンの場合は、筋肉のつきやすさがクラシックの枠を超えてしまった例です。

ただ、移ってすぐに勝てたわけではありません。212の最初の数年は予選の大会では勝ちながら、オリンピアでは下位からのスタートでした。

オリンピア212の戦績表|14位から3年で頂点、2023年からの相手はクラリダ

212に移ってからのオリンピアの成績です。順位は Fitness Volt と Generation Iron のプロフィールで一致しています。主催の公式サイト(mrolympia.com)とIFBBプロリーグ(ifbbpro.com)でも確かめようとしましたが、mrolympia.com は2026年9月26日の確認時にページを開けず、ifbbpro.com の結果一覧には2023〜2025年のオリンピアの順位表が載っていませんでした。2021〜2025年は公式の順位表では照合できていない数字です。2026年の優勝だけは、IFBBプロリーグ公式の結果ページで確かめました(2026年10月1日確認)。

年オリンピア212の順位その年に起きたこと
2021年14位212での初めてのオリンピア
2022年6位前年から8つ上げる
2023年優勝ショーン・クラリダから王座を奪う
2024年優勝防衛。クラリダが2位
2025年優勝3連覇。2位クラリダ、3位ルーカス・ガルシア
2026年優勝4連覇。2位ルーカス・ガルシア、3位クラリダ

14位から6位、6位から優勝。3年で頂点まで上がった直線的な伸び方は、体重の枠を広げた効果が数年かけて体に出てきた、と読むこともできます。2025年の賞金は1位5万ドル、2位2万ドル、3位1万2000ドルで、2026年も同じ額でした(Fitness Volt・Kulturistikaの結果記事)。本家のメンズ・オープンの優勝賞金60万ドルと比べると、1位どうしで12倍の差があります。

オリンピアという大会そのものの成り立ちや、部門の数、歴代最強の顔ぶれはミスター・オリンピアとは?が扱っています。ここでは212の1人に絞って話を続けます。

もう一つ、あまり知られていない記録があります。Fitness Volt によると、ピアソンは2025年にプラハのプロ大会で体重無制限のメンズ・オープンにも出ていて、4位でした。212の王者でも、体重無制限の選手と並ぶと優勝には届かなかったわけで、212とオープンが別の競技として分けられている理由が一つの結果に表れています。

2026年の212で何が起きたか|プリジャッジは中央、決勝で4連覇、横川尚隆は7位

2026年の212は、現地9月25日(金)の朝にプリジャッジ(事前審査)、同じ日の夜に決勝という1日で決着する日程でした。日本時間では、プリジャッジが9月26日(土)午前1時30分、決勝が同日午前10時20分ごろです(決勝の開始は公式配信ページで当初の18時から18時20分に繰り下げられていました)。

場面ピアソン横川尚隆
プリジャッジの最終比較中央に立つ。両脇にクラリダ、ガルシア、ヴィトール・ポルト・デ・オリヴェイラ呼ばれていない
中ほどの比較ー呼ばれて並ぶ(オリンピア初出場)
決勝の順位優勝(4連覇)7位(順位が付いた20人中)

Fitness Volt のライブ更新(現地9月25日午前11時41分)は、ピアソンが最終比較で中央に立ち続け、張りと仕上がりの釣り合いが取れていたこと、密度と大きく開く広背筋でバックダブルバイセップスがいっそう強く見えたことを伝えています。一方でチェコの専門誌 Kulturistika は見出しで「ピアソンが支配しているが、クラリダがすぐ後ろに迫っている」と書きました。2023年から2025年まで毎年1位ピアソン、2位クラリダで終わった2人が、2026年のプリジャッジでも同じ最終比較に並んだことになります。決勝ではルーカス・ガルシアが2位に入り、クラリダは3位に下がりました。

横川選手については、同じ Kulturistika が、オリンピア初出場で中ほどの比較に呼ばれ、そこで健闘したと報じています。プリジャッジは最初に呼ばれる比較に上位候補が集まるのが通例なので、中ほどの比較は表彰台争いの外側で順位を決める組と読めます。

決勝の順位は、IFBBプロリーグ公式の結果ページで1位ピアソン、2位ガルシア、3位クラリダ、4位ヴィトール・アウベス・ポルト・デ・オリベイラ、5位ニハト・カヤ、横川選手は7位です(2026年10月1日確認)。Fitness Volt と Generation Iron の結果ページも同じ並びでした。なお、日本時間9月26日の決勝直後に開いた Generation Iron の結果ページには「ピアソンは2026年の出場者に含まれない」という一文が残っていましたが、これは前年ページの文面が残ったもので、現在の同ページはピアソンを4度目の王者として載せています。

横川尚隆との接点|ジャパンプロで名前を出された王者

横川選手とピアソンを最初に結びつけたのは、横川選手のプロデビュー戦です。2026年8月2日のジャパンプロで212を制した横川選手について、審査したIFBBプロリーグの関係者が「日本で審査した中で最も印象的なボディビルダー」「ケオン・ピアソンのようなトップスターたちと肩を並べる存在になる」と語ったと東スポWEBが報じました。横川選手がどういう大会で出場権を取ったのか、プロの興行としてジャパンプロが何を懸けているのかはジャパンプロとは?横川尚隆がプロデビュー戦で優勝した日本のIFBBプロ興行が扱っています。そこで基準として名前を出された王者と、1か月半後に同じステージに並んだことになります。挑んだ側の横川選手がどんな経歴でここまで来て、2026年の結果のあと何が要るのかは横川尚隆とは?オリンピア212で初出場7位にまとめました。

ピアソンの体はどこで勝っているのか|規定ポーズごとに見る勝ち筋

ここからは、4連覇が何によって支えられてきたのかを、プリジャッジで審査員が比べる規定ポーズに沿って見ていきます。規定ポーズそのものの定義と、それぞれが体のどこを見せる型なのかはボディビル規定ポーズ7種の図解に1つずつ並べてあるので、ポーズの名前が分からなければ先にそちらを開くと話が早くなります。

212の審査を身長の側から考えると、ピアソンの強みが見えてきます。上限は全員に同じ96.2kgですが、同じ重さなら背が低いほど体の表面積が小さく、筋肉が詰まって見えます。167cmで94〜95kgを乗せているピアソンは、この「詰まって見える」側に最初から立っています。そのうえで、どのポーズで差がつくかを整理すると次のようになります。

規定ポーズ審査員が見るところピアソンの見どころ
フロントダブルバイセップス肩の丸み、腕、胸、腹、脚の全体上限いっぱいの重さが全身に均等に乗っているか
フロントラットスプレッド正面から見た背中の幅小柄な体に対する上半身の横幅
サイドチェスト胸の厚み、腕の太さ、ふくらはぎ横から見た体の厚み。密度がいちばん出る
バックダブルバイセップス背中の厚みと広がり、筋肉の分かれ目2026年のプリジャッジで最も評価された広背筋
バックラットスプレッド後ろから見た逆三角形の幅腰の細さに対する背中の広がり
サイドトライセップス二の腕の張り腕と胸の釣り合い
アブドミナル&サイ腹筋と太もものキレ張りを残したまま絞れているか
バックダブルバイセップス
バックダブルバイセップスのフォームと、主に効く部位(背中(広背筋・僧帽筋)・力こぶ(上腕二頭筋))を示した図
効く部位 背中(広背筋・僧帽筋)力こぶ(上腕二頭筋)

表の中で報道がいちばん具体的に触れているのが、背面のバックダブルバイセップスです。背中は本人から直接見えないうえ、厚みと広がりの両方が同時に比べられるので、正面では互角に見える選手どうしにここで差が出ます。2026年のプリジャッジについて Fitness Volt が「密度と大きく開く広背筋でバックダブルバイセップスがさらに強く見えた」と書いたのも、このポーズでした。

フロントラットスプレッド
フロントラットスプレッドのフォームと、主に効く部位(背中(広背筋)・胸(大胸筋))を示した図
効く部位 背中(広背筋)胸(大胸筋)

正面から背中の幅を見せるフロントラットスプレッドも、小柄な選手にとっては分かりやすい勝負どころです。身長が低いと肩幅の絶対値では不利になりやすいのですが、腰が細く締まっていれば、上半身の広がりは比率で大きく見えます。背が高く同じ重さの選手が隣に立てば、その選手の体のほうが薄く見えやすいと考えられます。

「4連覇=圧勝」ではない|2025年まで3年続けてクラリダが2位、2026年はガルシア

4連覇と聞くと、他を寄せつけない独走を想像しがちですが、実態は違います。2023年から2025年まで、2位は3年続けてショーン・クラリダでした。2026年はブラジルのルーカス・ガルシアが2位に上がり、クラリダは3位でした。クラリダは212を2度制した元王者で、ピアソンが初めて勝った2023年は、そのクラリダから王座を奪った年です。

見方誤解されやすい読み方実際の構図
4連覇毎年大差で勝っている2023〜2025年は3年とも1位ピアソン・2位クラリダ。2026年はプリジャッジで2人が最終比較に並び、決勝の2位はガルシア
2位の顔ぶれ年ごとに入れ替わる挑戦者2025年までは3年続けてクラリダ、2026年はガルシア
2026年の報道王者の独走プリジャッジの段階で「すぐ後ろに迫っている」と書かれた接戦

どちらが上かを分けているのは、ポーズ1つの差ではなく、7つのポーズを並べたときの積み重ねです。2026年のプリジャッジ報道(Fitness Volt)が挙げたピアソンの見せ場は背面と密度で、クラリダは3年続けてそのすぐ下の2位に入ってきた相手で、2026年はそこにガルシアが割って入りました。観るときは「どちらが大きいか」ではなく、「どのポーズで審査員が2人を入れ替えて並べ直したか」を追うと、順位の理由が見えてきます。

まとめ

  • キーオン・ピアソンは212ポンドクラスのオリンピア王者で、2023〜2026年に4連覇している
  • 身長約167cm、大会時は94〜95kg前後で、212の上限96.2kgのすぐ下に1年中いる
  • 2019年にクラシックフィジークでオリンピア4位まで来たうえで、上限180ポンドの枠を出て212へ移った
  • 212では14位、6位、優勝と3年で頂点に届き、2023〜2025年の2位は3年ともショーン・クラリダ、2026年の2位はルーカス・ガルシア
  • 2026年はプリジャッジで最終比較の中央に立ち、決勝で優勝して4連覇。初出場の横川尚隆選手は7位

ピアソンの試合を初めて観るなら、プリジャッジの最終比較で背中を向けた瞬間を1つだけ押さえておけば足ります。そこで広背筋の広がりと厚みがクラリダやガルシアとどう違うかが分かれば、4連覇の理由が見えてきます。2026年大会の日程と各部門の結果はミスター・オリンピア2026の結果と日程に、決勝の映像を観返す方法はオリンピアTV(OlympiaTV)の使い方にまとめてあります。

ご注意: 身長・体重・戦績は海外のプロフィール媒体とオリンピア関連の報道を2026年9月26日に確認した時点の内容で、媒体によって数値が異なる項目があります。2026年の決勝結果はIFBBプロリーグ公式の結果ページで2026年10月1日に確認しました。また、トップ選手の体重管理や大会前の水分調整は専門家の管理下で行う競技上の手段で、一般のトレーニーがそのまま真似るものではありません。

よくある質問(FAQ)

キーオン・ピアソンの身長と体重はどれくらいですか?
身長は5フィート6インチ、約167cmで、海外の主要プロフィール媒体で一致しています。大会時の体重は媒体によって207ポンド(約94kg)と210ポンド(約95kg)に分かれていて、どちらも212ポンドクラスの上限96.2kgの数kg下です。オフシーズンでも205〜210ポンドと紹介されていて、大会前に大きく絞り込むというより、上限すれすれの重さを1年通して保っている選手です。
キーオン・ピアソンはなぜクラシックフィジークから212に移ったのですか?
Generation Iron は、身長5フィート6インチのクラシックフィジークの上限180ポンド(約81.6kg)に収めるために、筋肉を削らなければならなかったからだと伝えています。2019年にクラシックでオリンピア4位まで来たうえで移籍し、上限が32ポンド(約14.5kg)重い212で、2023年から2026年まで4連覇しています。
キーオン・ピアソンと横川尚隆はどんな関係ですか?
2026年のオリンピアで、同じ212ポンドクラスを争った王者と初挑戦者です。横川選手は8月のジャパンプロで優勝して出場権を得ており、そのとき審査したIFBBプロリーグの関係者が、横川選手を「ピアソンのようなトップスターと肩を並べる存在になる」と評したと東スポWEBが報じています。プリジャッジでピアソンは最終比較の中央、横川選手は中ほどの比較に呼ばれ、決勝はピアソンが優勝して4連覇、横川選手は順位が付いた20人中7位でした(IFBBプロリーグ公式の結果、2026年10月1日確認)。