安井友梨とは?ビキニ日本10連覇は2026年に2位で途切れた|「世界一」はフィットモデルとマスターズ40-44歳級
安井友梨(やすい ゆり)は、1984年生まれ・愛知県出身のビキニフィットネス選手です。JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のオールジャパンで、2015年から2025年まで身長の高いクラスを10回続けて制してきました。その連勝が、2026年8月9日の鈴鹿大会で止まっています。163cm超級を制したのは兵庫県の西村裕子選手で、安井選手は2位でした。
それでも、6日後の8月15日には京都の大会でフィットモデルの163cm超級を制し、こちらは6連覇を達成しています。よく「世界一」と紹介される実績も、中身は2023年のフィットモデル172cm以下級と、2024年のマスターズビキニ40-44歳級の2つで、年齢で区切らないビキニの一般の部で世界の頂点に立ったわけではありません。「女王が負けた」の一言でくくると、この違いが全部抜け落ちます。
- オールジャパンのビキニは2015〜2025年に優勝10回。2020年は大会が中止で、途切れずに10回続いた
- 2026年8月9日の163cm超級は西村裕子が優勝、安井友梨は2位。6日後の8月15日にフィットモデル163cm超級で6連覇
- IFBBの世界大会で勝ったのは、2023年のフィットモデル172cm以下級と2024年のマスターズビキニ40-44歳級
- ビキニの一般の部の世界最高位は、2024年東京の172cm以下級3位
ビキニフィットネスがどんな体を評価する競技で、フィジークやボディフィットネスとどう違うのかはビキニフィットネスとは?絞りすぎが減点になるカテゴリーの見分け方に書いてあります。あちらは競技の仕組み、こちらはその競技の第一人者が何を勝ち、どこで負けたかの記録です。
安井友梨のプロフィール|1984年生まれ、30歳で始めて10か月で日本一
まず基本情報を表にまとめます。生年月日と経歴はWikipedia日本語版、身長と所属はJBBFとIFBBの結果資料で確かめました(2026年9月30日確認)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1984年1月13日(2026年9月時点で42歳) |
| 出身 | 愛知県 |
| 身長 | JBBF名簿では173.0cm、IFBBの結果表では171〜171.8cm |
| 競技を始めた年齢 | 30歳。本格的に取り組んで10か月で日本一 |
| 仕事 | 外資系銀行(ANZ東京支店)に勤めながら競技。2023年1月に退社 |
| 所属ジム | ゴールドジム名古屋金山(2022年以降の結果表の記載) |
きっかけはダイエットでした。外資系銀行に勤めていた30歳のときに体づくりを始め、ビキニフィットネスに出会ったと、スポーツ観光の情報サイト Japan Sports Journey は紹介しています。FITNESS LOVEも「外資系銀行と競技のハードな両立」と書いていて、銀行の仕事と競技の二刀流は2023年に退社するまで続きました。2015年に初めてオールジャパンを制した時点では31歳で、競技者としては遅いスタートです。
2026年8月9日の163cm超級は西村裕子が優勝|安井友梨は2位で連勝が止まった
2026年のオールジャパンフィットネスは、8月9日に三重県鈴鹿市のサンケイホール鈴鹿で開かれました。ビキニフィットネスは身長で3つのクラスに分かれ、安井選手が出たのはいちばん背の高い163cm超級です。この大会は、10月末からスペインで行われる世界選手権の代表選考会も兼ねていました(FITNESS LOVE、2026年8月9日)。
| 順位 | 選手 | 都道府県 |
|---|---|---|
| 1位 | 西村裕子 | 兵庫県 |
| 2位 | 安井友梨 | 愛知県 |
| 3位 | 中畑真希 | 北海道 |
| 4位 | 早倉フジコ | 東京都 |
| 5位 | 片平愛子 | 静岡県 |
| 6位 | 藤井裕子 | 東京都 |
出典はJBBFの審査結果一覧表で、FITNESS LOVEとVITUP!の速報とも順位が一致しています。ほかの2クラスは158cm以下級を岩崎有希選手、163cm以下級を外ノ池文乃選手が制し、この年はビキニの3クラスすべてで優勝者が入れ替わりました。
勝った西村選手は、前日の8月8日に同じ会場で開かれたオールジャパンマスターズで、ビキニの45歳以上160cm超級とマスターズのオーバーオールを制しています。年齢別の大会で頂点に立った翌日に、年齢で区切らない163cm超級でも勝った、という2日間でした。安井選手は前日のマスターズには出ていません。
6日後の8月15日、フィットモデルで163cm超級とオーバーオールを制した
敗戦から6日後の8月15日、京都テルサでオールジャパン・ウィメンズフィットモデル選手権が開かれました。エントリーは71名。安井選手は163cm超級で1位、全クラスの優勝者で競うオーバーオールでも1位になっています(JBBFの結果表)。
大会後、安井選手は「あれから中6日で、とても出場できる状態ではなく、棄権しようかと思っていました。」とFITNESS LOVEに語り、最後に「本当に、棄権しなくてよかった」と涙を見せています。ビキニの連勝が止まった1週間を、別の競技で締めくくった形です。
年表で見る戦績|オールジャパンは11年で10回の優勝、2020年は中止
10連覇がどの年の、どの区分での優勝なのかを、JBBFの審査結果一覧表を1年ずつ開いて並べました。大会名も区分名も年によって変わっています。
| 年 | オールジャパン(ビキニ)の区分 | 結果 |
|---|---|---|
| 2015 | 35才以下163cm超級 | 1位・オーバーオール1位 |
| 2016 | 35才以下163cm超級 | 1位・オーバーオール1位 |
| 2017 | 35才以下163cm超級 | 1位(オーバーオールは小野貴子) |
| 2018 | 35才以下163cm超級 | 1位・オーバーオール1位 |
| 2019 | 35才以上160cm超級 | 1位 |
| 2020 | 大会中止 | なし |
| 2021 | 35才以上160cm超級 | 1位 |
| 2022 | 163cm超級 | 1位・オーバーオール1位 |
| 2023〜2025 | 163cm超級 | 3年とも1位 |
| 2026 | 163cm超級 | 2位 |
オールジャパン以外でも、国内ではほぼ負けていません。JBBFの大会では、上位入賞者が集まるFITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPSのビキニで2021〜2025年に5回優勝し、フィットモデルでは163cm超級を2021年から6年続けて制しています。世界の舞台では、2023年と2024年にIFBBの大会で1つずつタイトルを取りました。その中身は下の深掘りの節で確かめます。
2020年は、JBBFの夏から秋の日本大会が軒並み中止になりました。オールジャパンのビキニ(9月20日予定)もその1つです。そのため「2015年から2025年まで」と書くと11年ですが、優勝は10回で、そのあいだ一度も負けていないという意味で10連覇になります。
ビキニフィットネスとフィットモデルは別の競技|水着の種類とドレス審査の有無が違う
同じ体で出ているのに、なぜ片方で負けて片方で勝てるのか。まず競技が別物だからです。ビキニフィットネスはセパレートの水着で、全身のバランスと絞れ具合、ステージでの見せ方を比べます。フィットモデルはワンピースの水着とイブニングドレスの2つの装いで審査されます。同じ選手が出ても、ドレスを着た姿まで比べられる競技と、水着の体だけで比べられる競技では、順位の付き方が変わって不思議はありません。
| 項目 | ビキニフィットネス | フィットモデル |
|---|---|---|
| 衣装 | セパレートの水着 | ワンピースの水着とイブニングドレス |
| 2026年の安井選手 | 163cm超級 2位 | 163cm超級 1位・オーバーオール1位 |
| 連続優勝 | 2015〜2025年に10回(2026年で途切れた) | 163cm超級で2021〜2026年に6回 |
JBBFの女子カテゴリーが筋肉量の順にどう並んでいるか、ビキニの審査で何が減点になるかは、冒頭で紹介したビキニフィットネスの解説記事の「カテゴリーの階段」と「絞りすぎの境界線」の章にまとめてあります。また、JBBFとは別の団体が主催するコンテストにも「ビキニ」や「モデル」の名前が付いた部門があり、名前だけでは区別がつきません。サーフモデルやドレス部門が並ぶ別系統の大会の中身は、サマースタイルアワードの大会ガイドで確認できます。安井選手が戦ってきたのは、JBBFとその国際団体IFBBの大会です。
「10連覇」「6連覇」「世界一」の正体|数字ごとに指している区分が違う
安井選手を紹介する記事には、「10連覇」「11連覇」「6連覇」「5連覇」「世界一」「初優勝」といった数字が並びます。どれも間違いではないのですが、指している大会と区分がそれぞれ違います。公式の結果表と照らし合わせると、次のように整理できます。
| よく見る言葉 | 指しているもの | 確かめた資料 |
|---|---|---|
| 10連覇 | オールジャパンのビキニ(身長の高いクラス)、2015〜2025年 | JBBF審査結果一覧表 |
| 11連覇が途絶えた | 11回目がかかった2026年に2位になったこと | FITNESS LOVE・VITUP!の報道 |
| 6連覇・5連覇 | フィットモデルの163cm超級が6連覇、オーバーオールが5連覇 | JBBF結果表(2021年のオーバーオールは2位) |
| 39歳で世界の頂点 | 2023年世界選手権のフィットモデル172cm以下級 | IFBB公式結果表・THE ANSWER |
| 悲願の世界選手権ビキニ初優勝 | 2024年東京のマスターズビキニ40-44歳級 | IFBB公式結果表・FITNESS LOVE |
「世界一」は2回あり、どちらもビキニの一般の部ではない
いちばん書き方が割れているのが「世界一」です。IFBBが公開している結果表を2年分開くと、安井選手の順位は次のとおりでした(2026年9月30日確認)。
| 大会 | 区分 | 順位 |
|---|---|---|
| 2023年 世界選手権(スペイン) | フィットモデル172cm以下級 | 1位 |
| 2023年 世界選手権(スペイン) | ビキニ172cm以下級 | 6位 |
| 2024年 世界フィットネス選手権(東京) | マスターズビキニ40-44歳級 | 1位 |
| 2024年 世界フィットネス選手権(東京) | ビキニ172cm以下級 | 3位 |
| 2024年 世界フィットネス選手権(東京) | フィットモデル168cm超級 | 3位 |
2023年のTHE ANSWERが「世界一」と報じたのはフィットモデルでの優勝で、同じ大会のビキニは6位でした。2024年のFITNESS LOVEが「悲願の世界選手権ビキニ初優勝」と書いたのは、40〜44歳の年齢別クラスでの優勝です。どちらも公式の記録どおりの正しい報道ですが、見出しだけを読むと「ビキニで世界一になった」と受け取ってしまいます。年齢で区切らないビキニの一般の部では、2024年の3位が最高です。
なお、IFBBの結果表には、2024年のマスターズビキニのオーバーオール(年齢別クラスの優勝者どうしの比較)で4位、2023年のマスターズフィットモデル35歳以上で3位という記録も残っています。同じ「IFBB」の名前が付いていても、これらはアマチュアの国際大会です。プロの最高峰オリンピアで争われる世界とは、団体の系統からして別で、その違いは男子のプロ選手を追った横川尚隆とは?オリンピア212で初出場7位を読むとつかめます。
「10連覇」は3つの区分名にまたがっている
オールジャパンの10回の優勝は、すべて同じ名前のクラスで取ったものではありません。2015〜2018年は「35才以下163cm超級」、2019年と2021年は「35才以上160cm超級」、2022年からは年齢の区切りが消えて「163cm超級」になりました。2019年に35歳になったので年齢の枠を移り、その年は身長の区切りも160cmに下がっています。
区分の名前が変わっても、そのたびに同じ大会の背の高いクラスで勝ち続けたことに変わりはありません。一方で、年齢で区分が分かれていた2015〜2021年は、同じ年に別の年齢クラスの優勝者がいたため、クラスで勝っただけではその年のビキニ全体の頂点とは言えません。2015〜2018年はそれをオーバーオールで決めていました。安井選手は2015〜2018年の4年のうち3回オーバーオールも制していますが、2017年は35才超163cm超級の小野貴子選手に譲っています。35才未満/35才以上/40才以上/45才以上に分かれていた2019年と2021年は、オーバーオールの記録を確認できていません。「10年間、日本の誰にも負けなかった」とまで言い切る前に、少なくとも2017年のオーバーオールは別の選手が取っている点は押さえておきたいところです。
身長の数字も、資料によって違う
もう1つ、細かいけれど気になるずれがあります。JBBFの2025年グランドチャンピオンシップスの出場者名簿では身長173.0cm、IFBBの結果表では2023年が171cm、2024年が171.8cmです。IFBBの172cm以下級に出られたのは、大会で測った数字が172cmを下回っていたからでしょう。2024年のFITNESS LOVEは「次はビキニ172cm超級に出場する」と書いていますが、IFBBの結果表で安井選手が載っているのは「172cm以下」のクラスで、結果は3位でした。
ちなみに、FITNESS LOVEに載った本人の言葉にも「世界一になったときよりも、11連覇が途絶えたときの方がたくさんのメッセージをいただき、力になりました」とあります。本人も「11連覇」と呼んでいるのは、途切れたのが11回目の挑戦だったからです。数字を追うときは、それが「何回勝ったか」なのか「何回目の挑戦か」なのかを分けて読むと混乱しません。
安井友梨をこの先どこで観られるか|10月11日のグランドチャンピオンシップスは出場未発表
2026年の国内シーズンで残る大きな大会は、10月11日のFITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2026です。日本ボディビル選手権と同じ日に大阪府吹田市のメイシアターで開かれ、ビキニフィットネスも行われます。主要大会のメダリストだけが出られる大会とされ、安井選手はこの大会のビキニで2021年から5年続けて優勝してきました。ただ、2026年に出場するかどうかは、確認した範囲ではまだ公表されていません。
| 大会 | 日程 | 安井選手の状況 |
|---|---|---|
| FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2026 | 10月11日(メイシアター) | 出場は未発表。ビキニは2021〜2025年に5連覇中 |
| IFBB世界選手権 | 10月末から(スペイン) | 代表に選ばれたかは未発表 |
観に行くなら、チケットの買い方に注意が要ります。同じ日の日本選手権とは入れ替え制で、日本選手権のチケットだけではグランドチャンピオンシップスを観られません(VIP席を除く)。席の種類と一般発売の条件、会場へのアクセスは日本ボディビル選手権2026の観戦ガイドに書いてあります。自分もいつかステージに立ってみたいと思ったら、JBBFの選手登録の区分と締め切りをJBBFとは?選手登録は3種類で先に確かめておくと、申し込みで迷いません。
まとめ
- 安井友梨は1984年生まれ・愛知県出身。30歳で競技を始め、2015〜2025年にオールジャパンのビキニで10回優勝した(2020年は大会中止)
- 2026年8月9日の163cm超級は西村裕子が優勝し、安井友梨は2位。6日後の8月15日にフィットモデル163cm超級で6連覇、オーバーオールで5連覇
- 「世界一」はIFBBの2023年フィットモデル172cm以下級と、2024年マスターズビキニ40-44歳級の2つ。ビキニの一般の部の最高位は2024年の3位
- 「10連覇」は3つの区分名にまたがり、2017年のオーバーオールは別の選手が取っている(2019・2021年のオーバーオールは未確認)
安井選手の記事を読むときは、数字の横にある区分名まで見ると中身がはっきりします。「世界一」とあれば年齢別か身長別か、「連覇」とあればどの大会のどのクラスかを確かめると、どの記事が何を言っているのかが揃います。次に追うべきは、10月11日のグランドチャンピオンシップスに名前が載るかどうかです。安井選手が戦ってきたビキニという競技で何が評価され、どこから減点になるのかはビキニフィットネスの審査基準とカテゴリーの違いで確認できます。
ご注意: 順位はJBBFの審査結果一覧表とIFBBの公式結果表(いずれも2026年9月30日確認)に基づいています。今後の出場予定は本人や主催者の発表で変わるので、観戦の予定を立てるときは必ずJBBFの大会ページで最新の出場者と日程を確認してください。
よくある質問(FAQ)
- 安井友梨はオールジャパンのビキニで何連覇していましたか?
- 10連覇です。JBBFの結果表では2015〜2019年と2021〜2025年に、身長の高いクラス(区分名は年により「35才以下163cm超級」「35才以上160cm超級」「163cm超級」)で優勝しています。2020年は大会自体が中止だったので、11年で10回の優勝です。2026年8月9日の大会では西村裕子選手に敗れて2位でした。
- 安井友梨の「世界一」はどの大会のどの区分ですか?
- IFBBの公式結果表で確認できる優勝は2つです。2023年スペイン・サンタスサンナの世界選手権でフィットモデル172cm以下級、2024年東京の世界フィットネス選手権でマスターズビキニ40-44歳級。年齢で区切らないビキニの一般の部では、2024年の172cm以下級3位が最高です。
- 安井友梨は何歳で、身長は何cmですか?
- 1984年1月13日生まれで、2026年9月時点で42歳です。身長は資料で数字が違い、JBBFの2025年の出場者名簿では173.0cm、IFBBの結果表では2023年が171cm、2024年が171.8cmと記録されています。30歳で競技を始め、10か月で日本一になりました。