鈴木雅とは?日本ボディビル選手権9連覇、世界選手権80kg級は予選落ちから7度目の2016年に優勝|今は巨人の若手を指導

2026年10月20日 公開 / 2026年10月20日 更新
両腕を上げてフロントダブルバイセップスのポーズをとる男性ボディビルダーと、足もとのステージに一列に並んだ9つのトロフィーを描いた線画イラスト

鈴木雅(すずき まさし)は、1980年生まれ・身長167cmのボディビルダーです。JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の日本ボディビル選手権を2010年から2018年まで9年続けて勝ち、2016年11月にはスペインで開かれたIFBBの世界男子ボディビル選手権80kg級で、日本人として初めて世界チャンピオンになりました。

名前は聞くけれど何をした人か、という問いへの答えはこの2つの記録です。そして今は、THINKフィットネス所属のゴールドジムのトレーナーとして働きながら、2021年から読売巨人軍の若手選手のフィジカルトレーニングを担当しています。

  • 日本選手権は2005年の12位から始まり、2009年の4位を経て2010〜2018年に9連覇。決勝の採点は2010〜2017年の8大会で毎年最小の5点だった
  • 世界選手権80kg級は2010年の初出場で順位なし。7度目の2016年に優勝し、決勝(上位6人)に残ったのは2012・2015・2016・2017年の4回
  • Wikipediaの「以降7連覇」「2011年以降は毎年決勝に進出」は、どちらもJBBFとIFBBの結果表と合わない
  • 「米を1日9合」は大学時代の増量期の話。今の推奨ではない

連覇が終わった2019年に日本一になったのは、前年に鈴木のすぐ下の2位だった横川尚隆です。横川はその後団体を移ってIFBBプロになり、2026年のオリンピアに出ています。アマチュアのまま世界一を取った鈴木に対して、横川はプロの舞台へ進んだ選手で、その道筋は「横川尚隆とは?オリンピア212で初出場7位」で追えます。

鈴木雅のプロフィール|身長167cm、ゴールドジムのトレーナーとして競技を続けた

基本情報はWikipedia日本語版とOCEANSのインタビュー(2023年5月9日公開)を突き合わせました(2026年10月20日確認)。

項目内容
生年月日・出身1980年12月4日、福島県福島市
身長167cm(体重はWikipediaが82kg、OCEANSが80kgと表記)
学歴帝京大学文学部心理学科
仕事2003年4月にTHINKフィットネスに入社、ゴールドジムのトレーナー
国内の頂点日本男子ボディビル選手権 9連覇(2010〜2018年)
世界の頂点2016年 IFBB世界男子ボディビル選手権 80kg級 優勝
現在2021年から読売巨人軍の若手のフィジカルトレーニングを担当

高校では野球をしていましたが、OCEANSによると当時の体重は40kg台後半でした。体を大きくし始めたのは大学3年のときで、好きな女性に「細い男はイヤ」と言われたことがきっかけだったと本人が話しています。卒業後はトレーナーとして働き、JBBFの結果表を見ると、日本選手権に出ていた14年間の所属はずっとゴールドジムの店舗です。仕事場のジムがそのまま練習場でもあった、という競技人生でした。

鈴木雅の戦績を年表で見る|日本選手権は12位から5年で頂点、2010〜2018年に9連覇

ここからは、JBBFが公開している年別の審査結果一覧表から、日本選手権の順位を1年ずつ拾いました。大会名や「日本選手権」「クラス別」の違いが分からない場合は、主催団体の仕組みをまとめた「JBBFとは?選手登録は3種類」に大会の位置づけがあります。

年日本ボディビル選手権その年の2位
2005年12位ー
2006年11位ー
2007年8位ー
2008年7位(同年の日本クラス別80kg級は優勝)ー
2009年4位(優勝は合戸孝二)ー
2010年優勝合戸孝二
2011年優勝合戸孝二
2012年優勝田代誠
2013年優勝田代誠
2014年優勝田代誠
2015年優勝(モストマスキュラー賞、ベストアーティスティック賞も)合戸孝二
2016年優勝田代誠
2017年優勝須山翔太郎
2018年優勝横川尚隆

12位、11位、8位、7位、4位と5年かけて上がり、2005年から数えて6回目の出場だった2010年に初めて勝っています。東京の大会で最初に優勝したのは2005年ですが、その大会名はOCEANSが「東京クラス別選手権」、Wikipediaが「東京選手権」と書いていて食い違います。東京都の大会はJBBFの全国の結果アーカイブに入っていないので、どちらかは確かめられませんでした。

決勝の採点は2010〜2017年に8年続けて最小の5点、2018年だけ割れた

JBBFの日本選手権は審査員7人が順位を付け、いちばん良い順位といちばん悪い順位を1つずつ外した残り5人分を足します。全員が1位なら小計は5で、これより小さい数はありません。鈴木の決勝の小計は、2010年から2017年まで8大会続けて5でした。外される2人分は小計に入らないので、5は「残った5人全員が1位を付けた」という意味になります。

2018年だけは違います。決勝の順位は1・1・2・1・2・1・1で、7人のうち2人が横川尚隆を1位にしました。小計は鈴木6、横川9、予選と合わせた合計は12対18です。9連覇の最後の年が、いちばん競った年でした。

世界選手権80kg級の9年|予選落ちから7度目で優勝、決勝に残ったのは4回

国内で勝ち始めた2010年から、鈴木は毎年11月のIFBB世界男子ボディビル選手権に80kg級で出ています。順位はJBBFの国際大会ページと、そこに載っているIFBBの公式結果表で確かめました。IFBBの体重別クラスは上位6人が決勝に進み、7〜15位は準決勝の得点で順位が付きます。

年世界選手権 80kg級中身
2010年順位なし15位までに入らず
2011年11位準決勝まで
2012年4位初めて決勝に残る
2013年8位準決勝まで
2014年15位ブラジリア大会。準決勝まで
2015年3位ベニドルム大会。初の表彰台
2016年優勝ベニドルム大会。2位は韓国のSeonghwan Kim
2017年4位優勝は前年2位のSeonghwan Kim
2018年10位準決勝まで

日本選手権を勝ち続けていた9年のあいだ、世界の舞台では決勝と準決勝を行き来していました。2014年は15位まで下がり、その翌年に3位、さらに翌年に優勝しています。国内では毎年決勝で最小の5点を取っていた選手でも、世界の80kg級で勝つまでに7大会かかったことになります。JBBFは翌2017年1月の祝勝会の案内で、この優勝を「80kg級で日本人初の世界チャンピオン」と書いています。

体重別の世界大会で何が比べられているのかは、日本選手権と同じ規定ポーズの見え方で決まる部分が大きく、ポーズごとの見どころは「ボディビル規定ポーズ7種を図解」にまとめてあります。

9連覇の後どうしているか|巨人の若手を指導し、2026年3月に新刊

2019年以降、日本選手権の結果表に鈴木の名前はありません。引退を表明した時期は、確認した資料からは分かりませんでした。分かっているのは、2018年11月の世界選手権(10位)がいまのところ最後の大会結果だということです。

その後の仕事は、トレーナーとしての指導が中心です。

  • 2021年から、読売巨人軍の若手選手のフィジカルトレーニングを担当しています(OCEANS)。
  • 2025年12月には、巨人の平内龍太投手がよみうりランドのトークショーで鈴木を「憧れの人」に挙げ、直接指導を受けたと話しました。「皆さん調べてみてください、とんでもないですよ」と語ったと東京スポーツが伝えています。
  • 2020年7月に、野球選手向けの体づくりの本『ゴールドジムメソッド for Baseball Players』(ベースボール・マガジン社)を共同監修しています。
  • 2026年3月には『筋トレの“常識”を変える! 鈴木雅のトータルボディメイク』(コスミック出版)が出ています。著書2冊の発売日はWikipediaの著作欄の記載で、版元のページでは確かめられていません。

ボディビルの日本一が、野球の球団で若い選手の体づくりを任されている、というのが今の鈴木の立場です。大会の舞台からは離れても、トレーナーという本業は競技をしていた頃から変わっていません。

同じ時代の選手との関係|2位に入ったのは合戸・田代・須山・横川、木澤は決勝の常連

連覇の9年間で鈴木の下の2位に入ったのは4人です。2010・2011・2015年が合戸孝二、2012〜2014・2016年が田代誠、2017年が須山翔太郎、2018年が横川尚隆でした。

選手鈴木の連覇期の最高順位その後
合戸孝二2位(3回)2009年の日本王者。2017年も4位に入る
田代誠2位(4回)2017年3位、2018年4位と上位に残る
須山翔太郎2位(2017年)日本選手権は2019年も2位
横川尚隆2位(2018年)2019年に日本一、のちにIFBBプロへ
木澤大祐6位(2010・2012・2018年)2024年に49歳で日本一

ジュラシック木澤こと木澤大祐は、この9年すべてで決勝の12人に残っています。ただ順位は6位から11位のあいだで、鈴木と優勝を直接争う位置にはいませんでした。木澤が上位に上がってくるのは連覇が終わった後で、2019年4位、2021年2位を経て2024年に優勝しています。決勝に20年残り続けた側から同じ時代を見ると、鈴木の9年は、木澤がまだ上位に届かなかった時期と重なります。その長い道のりは「ジュラシック木澤とは?49歳で初の日本一、20年連続ファイナリスト」で年表にしてあります。

連覇の後の日本選手権は、2019年が横川尚隆、2021〜2023年が相澤隼人の3連覇、2024年が木澤大祐、2025・2026年が扇谷開登です。2020年の大会はJBBFの結果一覧に載っていません。

「7連覇」「毎年決勝」「アメリカで世界一」は勘違い|JBBFとIFBBの結果表で確かめる

鈴木について調べると、同じ人の記録なのに数字が揃わない場面に何度か当たります。Wikipediaの記事の中でも割れているので、JBBFとIFBBの結果表で1つずつ確かめました。

よく見る書き方結果表で確かめた中身
「2010年に初優勝、以降7連覇」2010〜2018年の9大会すべてで1位。9連覇
「2011年以降は毎年決勝に進出」決勝(上位6人)は2012・2015・2016・2017年の4回。2011年11位、2013年8位、2014年15位、2018年10位
「2016年に米国で世界一」3月の米国大会はアーノルド・クラシック・アマチュア。世界選手権は11月のスペイン
「米を1日9合食べる人」大学時代に増量を始めた頃の話

7連覇の数え違いは、初優勝の年を外すと起きる

Wikipediaはリード文で「9連覇」と書きながら、来歴では「2010年に初優勝、以降7連覇」としています。初優勝の年を含めると8年連続になり、どちらの数にも合いません。連覇の途中に書かれた報道を出典に引くと、その時点の数が古いまま残りやすくなります。結果表は2010年から2018年まで1位が9つ並んでいるので、数は9で確定です。

世界一の大会は11月のスペイン。3月の米国大会と混ざりやすい

2016年3月3〜5日、米国オハイオ州コロンバスのアーノルド・クラシック・アマチュアで、鈴木は80kg級を勝っています(男子ボディビルの全体では5位)。海外の結果サイトにはこの大会を「World Amateur Championships 2016」と載せているところがあり、名前だけ見ると世界選手権と区別がつきません。日本人初の世界チャンピオンになったのは、同じ年の11月3〜7日にスペインのベニドルムで開かれた第70回世界男子ボディビル選手権のほうです。1年に2回、80kg級で国際大会を勝った年だったわけです。

米9合は増量期の話で、真似を勧めるものではない

OCEANSのインタビューによると、大学3年で増量を始めた頃、1日の目標を8000kcalに置き、昼・夕方・夜に3合ずつ米を食べていた時期がありました。飽きないように砕いたポテトチップスを米にかけた、という話も出てきます。これは体重40kg台から体を作り直していた時期の極端な例で、本人が今の推奨として語っているものではありません。筋肉をつけるための増量なら、維持カロリーに少し足すところから始めるやり方が「リーンバルクとは?」にあります。

まとめ

  • 鈴木雅は1980年生まれ・身長167cm。日本ボディビル選手権を2010〜2018年に9連覇した
  • 世界選手権80kg級は2010年の初出場から7度目の2016年11月に優勝。日本人初の世界チャンピオン
  • 世界選手権で決勝に残ったのは4回。「毎年決勝」「7連覇」は結果表と合わない
  • 今はトレーナーとして、2021年から巨人の若手のフィジカルを担当している

鈴木の記録を読むときは、まず「どの大会の、どの年か」を分けて見ると混乱しません。日本選手権の9回と、世界選手権の1回、そして3月の米国大会の1回は別の勝利です。連覇が終わった後の日本選手権が、いまどんな顔ぶれで争われているかは、2026年10月の大会の日程と結果へつながる「日本ボディビル選手権2026」で確かめられます。

ご注意: 米を1日9合、8000kcalといった食事量は、本人が競技を始めた頃の増量期の体験談です。体格や活動量が違えば必要な量も大きく変わり、急に食事量を増やすと胃腸の不調や体脂肪の増えすぎにつながることがあるので、そのまま真似しないでください。持病がある人や減量・増量の指示を受けている人は、食事を大きく変える前に医師や管理栄養士に相談してください。戦績はJBBF・IFBBの公開結果表(2026年10月20日確認)によります。

よくある質問(FAQ)

鈴木雅は日本ボディビル選手権を何連覇しましたか?
9連覇です。JBBFの審査結果一覧表では、2010年10月3日の大会から2018年10月7日の大会まで9大会続けて1位です。2019年の結果表には名前が無く、この年は前年2位の横川尚隆が勝ちました。Wikipediaの来歴に出てくる「以降7連覇」は、同じ記事のリード文の「9連覇」とも結果表とも合いません。
鈴木雅が世界チャンピオンになったのはどの大会ですか?
2016年11月3〜7日にスペインのベニドルムで開かれた第70回IFBB世界男子ボディビル選手権の80kg級です。2位は韓国のSeonghwan Kimでした。同じ年の3月には米国コロンバスのアーノルド・クラシック・アマチュアでも80kg級を勝っていて、海外の結果サイトにはこちらを「World Amateur Championships」と載せているところがあるので、2つが混ざりやすくなっています。
鈴木雅の「米を1日9合」は今も勧めている食べ方ですか?
いいえ。OCEANSのインタビューで語られているのは、大学3年で体を大きくし始めた頃の増量期の話で、1日8000kcalを目標に昼・夕方・夜に3合ずつ食べていた時期があった、という内容です。確認した範囲では、本人がこの量を一般の人に勧めている記述は見当たりませんでした。